思春期で反抗期の姉を加速させる「父」という名の謎の男の話
みなさんこんばんわ。
ウンコ漏らしの記事、プロレスの記事、前澤100万円の記事にイイネを付けてくれた皆さん、心から御礼申し上げます。
きっとお一人お一人が私のことを哀れに思ったか、
ご自身の漏れそうだった過去と重ねていたか、だと思っています。感謝感謝。
コメントをくださった方、本当にありがとうございます。幸あれ。
今日は「姉と父の話」を簡潔に書こうと思います。
私には、姉がいます。彼女は、独特な感性をお持ちの人であった。
光GENJIが、壊れそうなものばかり集めていたり、WANDSが世界が終わる前に自分たちが終わったりしていたとしても、姉はそれらには一切、見向きもせず、一人せっせとチャゲ&飛鳥のCDを買っては集め、テープにダビングしておりました。
よくチャゲアスを聞かされていた私は、子供ながらに、こう思っていた。
「なぜこの人(ASKA)はこんなにネットリと歌うんだろう。そして、歌詞の意味がわからねぇ。」
歌詞の意味を考えていた。唄い方を真似もしてみたが、一切、答えは出なかった。
私にとって、姉&飛鳥の関係はマジで小学時代七不思議のうちのひとつであった。
さて、そんな姉もバッチリと反抗期に差し掛かり、だんだん家族との会話も「別に」等の沢尻感覚になってきた頃のことであった。
家族でゆく毎年恒例の夏のキャンプに向け、姉はせっせとカセットテープに音楽を録音していた。去年の夏は「ひとり咲き」という名の謎の演歌のような歌の入ったテープを編集していたが、あとで聞くとその曲はチャゲ&飛鳥のデビュー曲だったようだ。あと、明らかにチャゲ&飛鳥ではないよくわからない曲も入っていたが、それは、チャゲの曲であった。
姉のチャゲ&飛鳥への愛は、もはや常人の理解を超えていたのだと思う。チャゲ単体でも愛せるとは恐れ入った。
そんな姉が、何と、今年のカセットではダイの大冒険をし、JPOPを編集してキャンプに臨んできたのである。流れる曲は、明らかに今までと曲調が違う!全然、チャゲ&飛鳥とは違うのである。
それは広瀬香美の「ロマンスの神様」という曲だった。
出発と同時にその曲が流れた。いつもとは全く、車内の雰囲気が違っていた。なにかが起こりそうな、ワクワクした気持ちがする。
いつもならば、「はじまりはいつも雨」という、死ぬほど暗い曲の後に「モーニングムーン」という小学生にわかるわけもない歌がかかっていたのだから。
「(^^♪勇気と愛が~世界を救う~」
そうだ。広瀬。いい。私たちに必要な明るさはこれだ。姉もJPOPに身をひるがえし、反抗期に自ら一矢報いに行ったのだ。
「(^^♪週休2日、しかもフレックス~」
順調だった。しかし順調に見えた、その時であった。
父が、デリカシーもなく、こうつぶやいたのである。結構でかい声で。
「週休2日、しかもセ○クスって…何よ?しかもの使い方間違えてるべや?」
「シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」
あれほど音の聞こえるシーーーーンは今まで聞いたことのないというレベルのシーーーーンが、一瞬のうちに車内を支配した。
そしてその長い沈黙の中に、母の「いやー…。(お父さんそれはないでしょ…。ひくわ…。)」
という嘆息が漏れた。
姉は黙っていた。
私は、父が姉の全てを破壊した、そう察した。
そんな中、広瀬の香美は元気良く「(^^♪よく当たる星占いに~そういえば書いてあった~」などと歌っている。お前だけだぞ。笑顔なのは。
香美よ。その占いが本当に良く当たるのならば、「この曲を聞いて「フレックス」という言葉の意味の分からない男が、思春期の娘の反抗期を爆押しする。今週も来週も再来週もずうっとー!オーイェー!!」等と書いてあったはずだ。ちゃんと自分の星座の欄見たのか?香美よ。
広瀬香美の伸びやかな高音ボイスが、俺にはもはや、黒板を引っかいているキーキー!という音にしか聞こえなかった。
そして、姉はすぐにテープを変え、次の瞬間には、チャゲ&飛鳥のネットリとした歌声がいつもの車内に響いていた。歌詞の意味は分からなかった。だが、フレックスの意味が分からないよりマシな気がした。
姉は心の扉をめちゃめちゃデカい音で「バン!」と閉じた。
父はキャンプ場でも元気よくテントを立て、火を起こしていた。(私はそんな父が好きであるが)
それ以来、数年間、姉&父が話しているのを見たことはない。
今では姉と父のいびつなその関係はもう解消しているが、今度はチャゲ&飛鳥のほうが関係がいびつになってコンビを解消していたようである。
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