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神の部屋に住む永遠の無垢___辻井伸行日本ツアー___2023年3月8日
2023年3月8日にサントリーホールで行われた演奏会、「辻井伸行 日本ツアー2022/2023」に行ってきました。
前半は、ベートーヴェンとリストの重厚感のある曲で、後半はメロディアスなラヴェルが華やかに続き、踊り出したくなるほどジャジーなカプースチンで締めるというプログラムでした。
<奏でられた曲名>
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op. 31-2 「テンペスト」
リスト:巡礼の年第2年への追加 「ヴェネツィアとナポリ」 S. 162/ R. 10 A 197
ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル:水の戯れ
カプースチン:8つの演奏会用エチュード Op. 40
私はとくにラヴェルの「水の戯れ」が大好きです。
まるで天が落とした1滴が、辻井さんを中心に広がり続けるような演奏。煌めく波紋の中に身を浸しながら、心身が浄化されていくのが分かりました。
このところ、私の中では人生で最大のある挑戦をしています。このことから、緊張で右胸あたりが痛いほど締め付けられており、息苦しい日々が続いていました。
しかし、辻井さんの音に洗われているうちに、ふと緊張を手放すことができたのです。
「自分にできることは、すべて実行したじゃない。何を緊張することがあるものか」
皮膚の内側で縮こまっていた魂は、ゆるめられて等身大に戻り、とりとめもなく散っていた分もまた等身大に集められた。肉体と魂が整っていくのが分で分かったのです。
また、カプースチンの曲では「こんな一面もあるのだ」と発見したような楽しさで、涙がにじみました。
今回の演奏会でもアンコールは4曲にわたり、辻井さんが最後にそっとピアノのフタを締める仕草に、客席にもほほ笑みがあふれていました。
辻井さんは、まるで魂が”神の部屋に住む永遠の子ども”のよう。だからこそ、奏でられる音に神聖を感じるのでしょう。
2022年8月23日に聴いたアンヌ・ケフェレックさんのモーツァルトの「ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595」もそうですが、聴くことで浄化されたと強く感じる演奏に出会えた奇跡に心から感謝します。
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【ききみみ日記】
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オペラ・クラシック演奏会の感想をUPしています。是非お越しいただけますとうれしいです。
(2022年10月10日~2023年1月15日まで101回分を毎日投稿していました)
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