伊勢エビの幼生時代

夏の海の王者といえば
厚い殻に覆われた伊勢エビ。
大きな伊勢エビの刺身は
舌をとろかす甘みがある。

伊勢エビの赤ちゃんは
透明な板状のもので
ぷかぷかと浮遊しながら
外洋を何百キロも航海する。

このフィロソーマ幼生は
伊勢エビとは全く似ていない。
300日も浮遊しながら
30回も脱皮を繰り返す。

ようやくエビに似た
プエルルス幼生になるが、
これもまた美しい透明で
ガラスエビと呼ばれている。

足で水をかきながら
沿岸部の岩礁を目指す。
どうやって沿岸部を知るのかは
いまだにわかっていない。

岩礁で脱皮してようやく
伊勢エビになる。
3cmだったプエルルスは
1年で10cmに成長する。

体長12cmで成熟期を迎え、
40cm、2kg以上にまで成長、
赤褐色の棘を持つ見事な体躯、
ギイギイと威嚇音を鳴らす。

巨大な伊勢エビの体内には
骨というものがない。
厚い殻の外骨格の甲殻類。
幼生からの成長にびっくりだ。