「モネ 連作の情景」

連作が見られるとあって
上野の森美術館で開催中の
「モネ 連作の情景」なる
展覧会に足を運んだ。

生涯、戸外で写生を行い、
自然の光と色彩にこだわった。
50歳前後から始まった連作は
モネの真骨頂の作品群である。

一つの景観を異なる天候、
異なる時間、異なる季節で顕す。
時の移り変わりをカンヴァスに
魂を込めて写し取っていった。

「連作」を謳った今回の展覧会、
それを見られたのはわずかに
「ウォータールー橋」だけで、
タイトルに偽りありだった。

「積み藁」はあるにはあったが
同じ構図の連作作品ではなく、
「陽を浴びるポプラ並木」
「ルーアン大聖堂」はなかった。

この展覧会の拝観料は高く、
とても混んでいて悲しかった。
とはいえ「ウォータールー橋」の
曇り、日没、夕暮れの連作の
素晴らしさは卓越していた。