奇才ジェイムズ・サーバー

いやはや面白かった!
ジェイムズ・サーバーを
今頃になって読んだ。
ハヤカワepi文庫の表題は
『虹をつかむ男』、これを含め、
25の短篇が収められている。

『虹をつかむ男』は
ウォルター・ミティなる男の
とんでもない妄想の物語。
サーバーはユングやフロイトの
心理学をヒントに
短篇を書いたのかも知れない。

よたもん飛行機乗りの
『世界最大の英雄』や
何でも先取りして話を取る
女房の『空の散歩道』、
極悪犯人と瓜二つの普通の男、
『ブルール氏異聞』などなど。

平凡な人の奇想天外な話が
ピリリと辛いユーモアで
大いに笑わせてくれる。
サーバーが描くイラストも
巧みな線画が何ともいい味で
これまた奇想天外なのである。

『虹をつかむ男』は1947年に
ダニー・ケイ主演で映画化され、
2013年にベン・スティラー主演で
新たに『LIFE』のタイトルで
2度目の映画化がなされた。
主人公の妄想男ミティは
奇才、サーバーそのものである。