ランボーの「母音」

アルチュール・ランボーの詩に
VOYELLES(母音)というのがある。
A、E、I、U、Oの5つの音である。
日本語ならアエイウオであり、
なるほど「母音」だとわかる。

わからないのはそれらの母音を
色と関連づけていることだ。
ランボーはAをNOIR(黒)、
EをBLANC(白)、IはROUGE(赤)、
UはVERT(緑)、OはBLUE(青)。

黒は無のことで、白は全のこと、
赤と緑と青は色の三原色である。
これらの色の混ぜ方によって
すべての色がつくれるわけで、
ランボーはそれを詩にたとえている。

言葉にある「母音」を用いれば
すべての世界をあらわすことでき、
未知の世界までつくりだすことができる。
これまでにない新しい詩の世界を
「母音」が持つ色によってつくれると。