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『きみがうまれたひ』      なるかわしんご

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母性や父性は、どこからくるんだろう。
母親になった時から?
父親になった時から?
誰かの親になった時からか?

わたしが息子を産んだのは7年前。
産んだ瞬間に母性が生まれたかというと、
そうじゃなく、元々あった母性に火がついた、
というか、倍増した感じで、
お腹に子を宿して、
どんどんお腹の中で育つ子と一緒に、
母性も育まれていった気がする。

そう言った意味では、お腹に身籠人、
“母”のほうが、徐々に親になる体勢は
ついてくるんじゃないか。
父になったことはないけれど、
父というか、子を産み落とした人ではない一方は、いきなり目の前に、小さい生き物が現れて、
そこからの始まりだと、
タイムラグというか、“父になる“時間差が多少出てくるのかとも思ったりする。

父母という定義も、今の時代はなんだかしっくりこないのは、いろんな家族の形があるからで、
同性婚の方もいるし、1人で育てる方もいる。
だから、“父母になる”という言葉ではなく、
他にぴったりきそうな言葉を探すけれど、
わたしの言葉の引き出しからは
みつけだせないので、
広く使われる“父母”を
ここでは使うことにする。

この絵本の作者は
“なるかわしんご”さんという、
まだまだお子さんも小さい若いお父さん。
ご自身の経験からきっとこの絵本をかいたんじゃないかな。
今年の夏、なるかわさんの原画展で初めてお会いしたら、お子さんと一緒になって遊んで、絵を描いて、海の生物をじっくり観察していた姿が
とっても印象的だった。

イヤイヤ時期もあったり、
壁にラクガキなんかもしょっちゅう、
小学2年の今でも、
まだ目を離すと危なっかしいこともあるけど、

愛おしい。
月日を重ねて、いろんな思い出と共に愛情が深まっていくものが、家族という形になる。
それは、血が繋がっていなくても、
時間を共有する者たちの間に
つくられていくものではないだろうか。


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