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『ろくべえ まってろよ』    灰谷健次郎・作        長 新太・絵         文研出版

暗い穴に落ちてしまった
ろくべえ。

ろくべえは、穴に落ちた犬の名前。
犬のくせに穴に落ちるなんて、
まぬけ。だと言われる始末。。

子供たちが、なんとかして
鳴いているろくべえを
穴から出そうと考える。

ロープを下げたり、ライトで照らしたり、
お母さんを呼んだり。。

✴︎
わたしも、川にボールが落ちて、
棒でひょいひょい突っついて、
こっちに行かずに
あっちに行った事。

屋根の上に、バトミントンのハネがあがって、
どうやってか、よじ登ったりしたこと、
とか。。

なんか、どうにかして頭を捏ねくりまわして
難題をクリアしていった記憶がある。
時には、クリア出来ずに、
誰かの助けを借りたり、
クリア出来ずにゲームオーバー
な時もあった。


ろくべえに元気を出してもらうために、
シャボン玉をふいてあげたり、
“おもちゃのチャチャチャ”
をうたったり、凄いアイデアがでてくるでてくる。けど、ろくべえは、穴から出す事はできないまま。

最後は、友達犬のクッキーちゃんと一緒に
穴から出てくることができた、ろくべえ。

この絵本の作者の、灰谷健次郎さんも、
15歳の時にこじきの人に助けられたそう。
そんな体験が、この絵本をつくるきっかけになったかどうかわからないけれど、

どんな経験も、何かふとした時に、
記憶の引き出しから飛び出てきて、
あたたかくなったり、何かを生み出す引き金になったり、何がどう繋がるかわからない。

だから、どんなことも
無駄な事はない。

そう思えた、力強くて優しい絵本でした。

ろうべえ、
よかったねぇ。

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