どうなる、私の愛刀。

どうもどうもこんにちは。はじめまして、Silky Milkyと申します。シルキーミルキーでございます。名前に特段由来はございません。まあ猫のぬいぐるみ名と言うほかは。

さて。今し方、わたくしの愛する御刀が、かのYahoo!オークションさまにて落札されゆく退路を絶たれました。

「銘 國政」堀川国政 脇差 室町〜江戸初期作
国政は、新刀の祖である堀川国広の弟もしくは弟子と伝わる。

はい、惨敗でございます。“敗因”は、ズバリお値段かと存じます。それに加え、出品は“素人”による、にもかかわらずかの高名な「堀川一門」を謳ったお品とな、見た目にはそうは見えないながら事前に確かなプロの方々の後ろ盾を頂き正々堂々と出陣したことが裏目に出たか、おそらく誰しも警戒し、いやちょっと正直を書きすぎて申し訳ない心地すら溢れますが“素人ハブり”のような感すらある雰囲気をついさっきまでビンビンと感じ切り、まさかまさか人生初の正式ブログの初稿がこのような《惨敗録》となろうとはつゆだに思わず、それでも自身の御刀への愛情を尽くさんと執筆の完遂を試みるものであります。

こちら脇差をお迎えいたしたのは昨年の盛夏、やはりYahoo!オークションさまにてでした。歴史的な刀剣に魅了され、かといって今すぐに刀剣商さまからそれなりのお値段の御刀を頂くには素人が過ぎる、そう考え、玉石混淆ながら場合によっては良いお買い物もできることもあるとのプロ筋の方々のご意見も参考とさせていただき、ついに当該オークションにてピンとくる人気商品を落札するに至ったのでした。とても残念ながら、わたくし自身の人生ステージの駆け上がりに伴い、このたび遠くの転居先へは連れてゆけない事情が生じまして、こうして広くお譲り先を募集させていただいたという次第でございます。

いずれの方向にも忖度するつもりがない者としてそのままを綴りますが、しかしながら真剣である刀剣にとってのYahoo!オークションというのは、刀剣業界の方々いはく、「刀剣の最終墓場」とも称されるようです。数日間お世話になっておきながらとても心苦しい思いも相混ざりますが、事実は事実、やはり拝察するに、そうだよなぁ、まぁ、そうなるよなぁ…というのが、何一つ包み隠さないわたくしの感想でございます。なぜって… 

  「あの和泉守兼定の“之定”が11,000円???
     •••」(本来数千万円です。)

  「あの長曽根虎徹がほんの30万円?????
     •••」(笑笑笑)

色々と。良くも悪くも。コホン。お口が悪くてどうも申し訳ございません。

もちろん、出回っているものがすべて「偽物だ」などということはなく、かく言うわたくしも、その正当性(プロの方々にお見立ていただいた可能性)を根拠に相応のお値段と説明文を付けさせていただいた者です。その事に何ら、嘘偽りもございません。本物は本物でしょう。誰もがビックリひっくり返るお宝発見劇!というのも確かに見込めるお話です。そしてもちろん、贋作であっても何であっても、必ず作者のいる日本刀には変わりございません。

しかしながら… 何でしょうかねぇ、こう… 

      灰色に、見えるのです。

わたくしの御刀は、刀剣業界にて十二分に名実伴う老舗店店主さまにて直にご鑑定いただき、低いであろうながらもその「國政」の銘がともすると本物である可能性も有るには有るとして一定の“お墨付き”を頂いた現物であるにもかかわらず、そうしたエピソードもさして見当たらない御刀さま方に数万円、数十万円の入札額が多々つき人々が群がってゆきますことに、単なるひがみですとかそういったことははるか忘れ去った彼方の心地として、少し、何か、異常なような“気”も感じました次第です。

茎(なかご)の銘。堀川国政の作とされる。
周知に信用ある老舗刀剣店ご主人によれば、本物の可能性も「なくはない」という。

おっと、少々おイタが過ぎてしまいました。失礼。
確かに、オークションなのだからもっとずっとお安いお値段から始めて?はたまたこの御刀の魅力を伝えるべきわたくしの文章力が至らず?そうですとも確かにお写真もプロのご撮影には何ら比肩せず誤解を招き?うぶで混み入ったエピソードも信じてはいただけなかったか…?

ふふふ。 ふふ。 謎が謎を呼ぶというものであります。

いずれにせよ。
やはり大切なわが愛刀を、再び「墓場」へ戻すことなどとてもできやしない。
入札を幾ばくかご検討いただけた方々には、現実的なところおおよそお値段がもう少し安ければ悠々と、ということは確かにあったことと振り返ります。次回も出品を試みるとあらば反省材料と承知します。
ですがね。

どう、、、、、、、、、、も、
           
    灰色なのです。

関係者の皆様方には、お気を悪くさせてしまいましたなら心よりどうも申し訳ございません。無論、参加をさせていただきましたこと、何よりも感謝いたします。しかしとはいえ本日はこの目的意識をもっての投稿となりますため、このまま筆を下ろすわけにはまいりません。
要点は二つ。

一つ。せっかくの便利な便利なウェブオークション。真偽の程やお品の格が明確に重要視される分野の品目の出品と売買に関しましては、より厳しい何かしらのガイドラインを設けるなどして運営されてはいかがか、と。
いいいいいいいいいいいや、その嘘か誠かともわからぬ状態での品々をあれやこれやと妄想をして低価格にて入手をするという流れこそがYahoo!オークションの魅力であろう!!!!!
などと主張をされる方が大多数なのでしたなら、そうですね、それはそれで一理ある文化だなとも思いますのでとても宜しいのではないかと。ええ。
  つまり正論はあまり要らないのかぁと学習したという話です。コホン。

二つ。まるっっっっっっっっきりお話のジャンルが飛んで恐縮ながら、たとえばわたくし、元来あまりに繊細すぎるhspのエンパスの“宇宙人”ライトワーカーでございますため、つまるところ世のことが「見えすぎる」節もございまして、好きでやっているわけではとてもないのですけれど、やはりこう、「見えて」しまって、あぁ、皆さん、そういう感じがお好きなのですね… そういう心理になるのですね… わかりました、ならばわたくしには、向いていない…。詳述はしませんとも、ええ。
  そういう結論もまた学び得た体験となりました。という話。コホン。

美しい鋒(きっさき)
撮影の出来も反省要因ながら、刃文はなんとか見てとれるか。

かくして“惨敗”を喫したわが愛刀でしたが、お陰様ですぐに明日からお譲り先の調整の段取りは付けておりますため、畏れながらご心配には及びません。(とはいえ、現時点で本刀の明確なお譲り先は決まっておりません。下記の記述もご一読いただき、もし万が一ご所望の方がおられましたならその旨どうぞお気軽にお問合せくださいませ。)

ここまでズラズラと直感的記述をさせていただきましたが、以下、今は儚くも消え入りましたわたくしの愛刀に関する説明書きを、一部修正もほとんどそのままに載せさせていただきます。
先のオークションでは141,000円〜とさせていただきましたが、概ね10万円前後にて引き続き承る所存です。高いと見るか、安いと見るか、どうぞ御心のままに。

【國政 堀川国政 堀川国広弟 脇差 室町〜江戸初期作】
軽やかな風格を纏う優雅で清涼な美しい一振り
◇◇◇出世期待作!◇◇◇

■こちらは、新刀の祖と名高い堀川国広の弟あるいは弟子である堀川国政作と伝わる脇差でございます。「國政(国政)」の作例は数を見ず、《稀少作》として当方まで受け継いでおります。

■先代の方から大切にお譲りいただいた個人蔵の御刀ですが、このたび転居等こちらの事情により引き続きの所有が難しくなりましたことから、どなたか真心をもってお収めいただける方がいらっしゃればと募集をさせていただくものです。

■当初希望をするも時期が合わず、当方での日本美術刀剣保存協会による鑑定審査は受けておりませんが、東京都内にて精力的に活躍をされる信用ある老舗刀剣店さまやその他有識のプロの方々にお見立ていただきましたところ、いわゆる堀川一門特有の"ザングリとした"肌立ちの出来とは異なる趣をもつものの、「堀川国政」の作としての可能性も見込めることから、正式な鑑定審査に出されるようにと一様にお薦めをいただきました。仰るに、「もったいない」とのことです。当方といたしましても、もしも宜しければ今後ご所有の方には是非、鑑定審査に挑戦されてみてはいかがかと勝手ながらご案内のみさせていただきたい所存です。
(※上記の経緯は、今後の鑑定審査通過を保証するものではございません。あくまでご参考にとお考えいただければ幸いです。)

■上述のお見立てにより、刀身は室町時代後期〜江戸時代初期にかけての作となります。堀川国政作となれば江戸時代初期と定まります。

■同様に、刀身には銘が有り刃毀れ等が無いなどの諸条件から、通例では最低の状態でもほんの廉価となることはなく、また保存刀剣審査通過の場合には数十万円の価値を備えるとのご指摘から、このたびはそれらを加味した上での価格を提示させていただいております。

■素人によるため、お写真の出来が至らずに誠に恐れ入ります。また同理由により、当方による日本刀に関する専門的な用語を用いた評価のコメントは控えさせていただきます。画像でご判断、ご検討いただけましたならとても幸いです。なお品目名に記載の文言は、当方が他と比して感覚的に捉えた特徴を表したものです。ご参考まで。

■刃毀れ等の特に目立った損傷は無く、とても綺麗な状態です。研がずともそのまますぐにご鑑賞いただけるかと存じます。唯一ごく小さい茶色の点が見えますのは錆かもしれません。

■茎の黒錆は天然のものとのことです。実物はいわゆる羊羹色に近いような深い色合いに見えますが、お写真では再現が難しく、お使いのモニターにより画像の色合いも異なります点はご了承願います。

■白鞘の目釘穴のサイズが非常に細い造りですが、通常の穴を開け直すことも可能なようです。

■白鞘、ハバキ、刀袋、和歌山県教育委員会による銃砲刀剣類登録証が付属します。また同教育委員会による「所有者変更届出書」を同封いたします。
 ※黒い刀掛台は撮影用のため付属しません。

■銃砲刀剣類所持等取締法により、ご購入から20日以内に速やかに所有者変更のお手続きをお願いいたします。同封の用紙にご記入いただき、和歌山県教育委員会までご提出ください。

《刀身仕様》 上記写真記載内容
脇差
長さ 37.0 cm
反り 0.9 cm
目釘穴 1個
銘文(表) 國政
登録記号番号和歌山県第24880号
平成9年1月29日交付

※※※偽物注意!!※※※
他サイトにて、今回の御刀が6000〜10000円ほどで販売されているのを発見いたしました。出品時現在も販売中のようです。画像にある登録証や刀身の特徴など全てから、当方の手元にある現品の御刀に間違いございません。現品は確かにこちらにございますため、そのようなサイトにて不利益を被りませんようどうかお気をつけください。

ご質問等ございました際には、こちらの可能な範囲内でお答えいたしますのでどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

誠心誠意、お譲りさせていただきたいと存じます。
何卒宜しくお願い申し上げます。

☆編集追記☆
-この夢のある一振りを、心通じる方のもとへ。-


"堀川一門"…と名打たれたこちら御刀に、ただただ懐疑的な見方もおありのことでしょう。著者自身、刀剣の専門家にはあらずとも、国宝等さまざまな御刀を見て回る者として幾ばくかの識別はつくというもの。
確かに、堀川物にしては、あの代名詞的な"肌立ちザングリとした"気配もなく、ますらおぶりな刃文の様相もなく、また茎の処理の仕方にもその特徴は表れていないように見受けます。さらに見れば、堀川物全般のみならず、現存する「堀川国政」とされる刀匠による銘の切り方の特徴とも現品はまた少し違うよう。

けれども、どうしたことか、業界にて周知に名の通る老舗店店主によれば、それでも可能性は、「-なくはない。」
これぞまったく、まいったもの、素人には揚々にして立ち入ることの叶わないであろう素晴らしく深淵な世界。豊かな世界。畏れ多くも鑑定のため、ご主人と共にわたくし自身も実際に目の前にて、堀川一門の他のご兄弟の作と今回の作とを見比べながらご説明を受ける幸運にあずかりました。

最初は文献を拝読、確かに、確かに。現品の「國政」は、堀川物、"らしくはない"。しかしながら次に、販売価格(参考)にして500万円を超えていたと記憶するそちらご兄弟の作を二、三、間近に並べて見てみると-。あれまあ、これはこれはいかに、こちらもこちらで堀川物"らしくはない"、ような。そして最後の一振りで、ご主人のお手元が止まり、空気も止まる瞬間が。つまり少し、面影があるのです。

さすがに数百万円ともなるご兄弟作のほうが地鉄が良いとのことでしたが、これらを総合して、現品が作例稀少な「堀川国政」作の脇差である可能性もあるとのことで、是非一度、日刀保さんによる鑑定審査を受けられてはとのお話でした。

これはわたくしの素人的妄想ではありますが、もしかすると、国政さん、他の兄弟や弟子と同一人物という説もありますが、その彼がほんのまだ駆け出しの刀工であった頃に汗を輝かせて鍛えた、少し拙い初期の初期の一振りなのでは… そのようなロマンを優に抱くことのできる魅力が、この御刀にはあるように思えます。

またこちらも個人的感想にはなりますが、本作は、どこか、とてもスッとして簡素、涼やかで、にもかかわらずありったけの優しいオーラをたたえながら守ってくださるような、そのような雰囲気を感じさせる不思議な一振りです。こちらが堀川一門のものであっても、そうでなくとも、きっと、国政さんご自身の気質、だったのでしょうか-。

本来でしたらもっとずっと末永くお付き合いできればと考えていた御刀でした。どうしても次の転居先へは所持してゆけず、このようなご縁と受け入れて、是非ここから巣立ち次の方のお手元でしっかりとその任を果たしてもらえたならと、嬉しく淡く願うばかりです。
美しく、優しい、いにしえの一振り。
貴方様の愛刀に、是非いかがでしょうか。

(今回は特段お名前は明示いたしませんでしたが、無料鑑定を快くお引き受けくださり、こちらの希望に合わせとてもご丁寧にご説明をくださいました刀剣店ご主人様、そのほかご協力くださいました皆様方へ、この場をお借りし深く御礼を申し上げます。ありがとうございました。)

以上、なんたる長さかわが初稿よ。
てなわけで、どうも皆さまごきげんよう。
お読みいただきありがとうございました。

  ☆☆☆いつだって
      光あふれる人生を。☆☆☆

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