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準備万端で整えても最期は運に任せます。((日本)ミツバチの入手方法②)

前回の西洋ミツバチの入手方法についてはこちらから。
蜜蜂がいなければ始まらない養蜂生活。((西洋)ミツバチの入手方法①)

 確定申告の締め切りももうすぐですが、その後に控えているのは日本ミツバチの分蜂シーズンです。日本ミツバチの入手方法は、大きく分けると“購入”か“捕獲”の2つです。まず、購入ですが、大手の養蜂場さんでは扱ってません。そして、値段も高額な上に数年待ちなんてこともあるようです。そして、もう一つ重要なこと。日本ミツバチは環境が気に入らないとすぐに逃げるのです。もちろん、逃げる前の兆候や逃げる気分を落ち着かせるテクニックなどもありますが、初心者のひとにはハードルがかなり高いでしょう。一箱、10万円弱の出費をして1ヶ月も経たずに逃げられては、ショックはかなりのものです。かわいがっていた蜂にある日突然逃げられたショックで飼育を止めてしまうひとも多いです。

 一般的に日本ミツバチを飼育している人は、野生の日本ミツバチが巣分かれ(分蜂)するシーズンに合わせて待ち箱(ミツバチの飼育箱や切り株に穴を開けたものなどの、ミツバチの巣分かれした後の転居先)を準備して、そこに日本ミツバチにやって来てもらうことを期待します。

 野生のミツバチは、木のウロやお墓や屋根裏、床下などによく巣を作ります。分蜂前になると探索蜂が周囲の候補地を探します。そして、見つけて来たそれぞれの候補地を別の蜂が順次確認し、より多くの蜂が支持した場所に分蜂するのです。

 候補地は以前日本ミツバチが営巣していた場所が優先される傾向があります。なので、日本ミツバチの巣くずや蜜ロウを煮て待ち箱につけたりして、蜜蜂に選択してもらう可能性を高くします。また、待ち箱そのものをまず見つけてもらうために待ち箱の入り口に蜜ロウを塗って火であぶって香りが周囲に広がるようにして探索蜂に気づいてもらうようにしたりもします。

 そして、最終兵器がこちら。

 キンリョウヘンと言う野性の蘭です。実は、この花の匂いが女王蜂のフェロモンに似ているらしく探索蜂の選沢率が大幅にアップします。ただし、分蜂する時しか興味をもたず、通常の開花期には分蜂シーズンが終わっている為、冬に室内に取り込んだりして開花を早めます。そして、桜が咲き終わった頃の分蜂シーズンにピッタリと咲くように調整するのです。

 これらの方法は、あくまでも捕獲の確率をできるだけ上げる為の手段であって必ずしも捕獲できると言うものではありません。出来る限りのことをしたら後は蜂に任せて祈るのみです。

 最近は、人工キンリョウヘンと言うキンリョウヘンの匂いを真似た製品も売られています。自分の経験では、キンリョウヘンの方がまだ効果が高く、人工のものは値段も高いので次の年からは使用してません。こちらも確率を上げる為のもので捕獲が約束されるものではありません。

 日本ミツバチの飼育は、群ごとに性格差が大きく気まぐれな蜂との駆け引きを楽しむ側面が強いので、あまりお金をかけずに楽しむ趣味として、楽しみとしての飼育があっていると最近は感じています。

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