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個人主義なのに協働がお好き@デンマーク

デンマークでは「個人の意思をとても重視する文化」だと思います。そのことが社会制度にも現れています。それをここでは個人主義と表現してみます。

デンマーク人は大学まで学費が無料、というのは有名な話。それどころか全学生に月10万円程度の生活費が支給されるのです。
日本だと大学生の学費や生活費は親が出すことが多いと思います。そうなると本人の意思ではなく親の希望が優先されることもありますよね。

デンマーク文化を学ぶ授業で聞いた話なのですが、デンマークでは親の希望と異なる進路を選ぶときでも子供は「○○学部に進学します」と報告するだけで、相談はしないのが一般的だとか。
そのほか18歳になると自立して生活することをとても大切にしているようです。そのための生活費が国から支給されるからできることだなと思いますが。個人の意思を優先するために社会制度もそれに合わせるというのは納得感があります。この制度は貧困の連鎖を断ち切るのにも役立つと思います。

日本は戸籍制度がしっかりしているおかげか、社会保障制度が個人ではなく世帯になっていますね。生活保護の申請に対して疎遠な家族や親戚に問い合わせが来る、そのことで生活保護の申請を断念する人がいるとか。コロナの給付金が世帯ごとだったために、DVを受けて居処を隠している女性はお金を受け取るのに苦労したというニュースもあり、戸籍制度の影の面を知りました。

さて、デンマークを個人主義の国とした時に、とても冷たいサバサバした印象を持つかもしれません。しかし生活してみるとそうではありませんでした。

学内で、あるイベントを企画するとして、自分や友達だけで企画運営できそう、となったとします。それでも「こんなイベントを考えていて、アイデア出しをするから興味がある人は夕食後に食堂に集合してください」という誘い方をします。

多様な人がアイデアを出すことで、思ってもみなかった楽しい企画ができます。アイデアを出した人は自分ごとになるのでイベントにきっと参加してくれます。
批判的な人が参加してきたらどうしよう!と心配かもしれません。そういう人のおかげで多面的に考えられて、リスクを潰すことができます。当日のイベントで文句を言う人がいて悲しい思いをするより批判を前向きに使える良い方法だと思います。何より、みんなで何かを作り上げるのは楽しいです。

デンマークではこうやって自分たちが暮らしやすい社会を作っているんだと思いました。これが幸せの国の秘訣であり、イノベーションの源泉かもしれません。民主主義(デモクラシー)って難しく聞こえるけど、みんなに意見を聞いてみる位のことなら簡単に始められそうではありませんか?

ところでデンマークの協働は「自分の意見や考えを持って行動できる人」が集まっているから、混じり合っても個性が消えることなく、1+1=2以上の何かが生まれると思います。個人主義と協働の良いとこ取りですね。

日本人は「他者との関係性で自分の意見を持つ」傾向が強いので、協働するときに個人の意見が消えてしまい、1+1=2未満になりやすいのだと思います。私は日本語で「個人主義」と聞くとネガティブなイメージを持ちます。自分勝手な人だとか、個人主義を貫くなら自己責任なので助けませんよ、とか?

チームワークが得意と言われる日本人なので「自分の意見や考えを持って行動できる人」と言う意味での個人主義が多くなれば、協働の強みを生かしもっと素敵な社会になるのにと思います。

せめて私の生活の範囲内だけでも自分の意見をのべても良くて、そのことにより社会を変えていける雰囲気を作りたいな。そのために民主主義を学ぶ学校であるフォルケホイスコーレを日本に作りたい!と思っています。しかしあまりにも大それた夢なので口に出すのも憚れると思っていました… 

でも最近は、いろんな人に「こんなことをやってみたいんだけど?」と話しています。かなり前向きな反応が多くて嬉しい限り。これも留学の成果!?ワクワクが始まるかもしれません!

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1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪