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ドイツで手術した話④〜いざ手術編〜

①診察から紹介状編はこちら
②検査編はこちら
③手術前編はこちら

センチメンタル・手術室・ジャーニー

迎えに来てくれた萌えメガネの看護師さんと、バスローブ姿の私と、見送るためのはずばん(夫)と、ドイツ語わかんないのー、でも英語ならいけるわー、手術は初めてー?、怖いよねー、的な世間話をしながら、てくてく手術室へ。

新しめでキレイな病院なのですが、突如目の前に天井まである重厚な扉が。バイオハザードの入り口ですか的なやつ!

「付き添いの方はここまでね」

と言われ、ここからは一人…!
はずばん(夫)がどれくらいに終わるか確認すると、麻酔から目覚めるまでの時間も含めて約3時間と。

ここで愛のお別れタイム…!と思いきや、もう私の脳内は半分パニックである意味ハイになってる状態だったので、「3時間後ね!12時ね!適当に待っててね!なんか食べてね!ラブライブやってていいからね!!」と言って、萌えメガネちゃんが鍵を開けたバイオハザードの扉をくぐったのでした。


さあいよいよ、手術室へ

重厚な扉の中は、予想を裏切らないバイオハザードの世界が。若干薄暗くて、若干肌寒い。たくさんのステンレスの扉があって、これから手術の人とすれ違ったり。

そのうちの一つの扉に入ると、これまたテレビでよく見る手術用ベッドと思わしき、タイヤ付きのやつが置いてあって、髪の毛を入れるシャワーキャップ的なやつを渡されて自分でかぶります。そこで、立ったまま、待つ。

・ ・ ・

長くね?

萌えメガネちゃんも、若干そわそわし始めた頃に、THE手術室の人的なおばちゃん(もうダメだ語彙が無い…!皆さま各自お好きな医療ドラマをご想像ください)がやってきて、ドイツ語で萌えメガネちゃんと話し始めた。

(以下、若干聞き取れた単語と話し方から脳内で会話を再構成しております。ここから、グレーの部分はドイツ語想像翻訳になります)

手術室おばちゃん「え、何してんの?」
萌えメガネちゃん「いや、次の患者さんここだって…」
手術室おばちゃん「え?そーなの?オペ何時よ?」
萌えメガネちゃん「あ、9時半なんですけどぉ…」
手術室おばちゃん「え?で、まだ誰も来てないの?まじかーあははー」

そして「はい、乗って!」とベッドを叩くおばちゃん。

え!不安すぎる!!!(笑)


バスローブとサンダルを脱いで萌えメガネちゃんに渡すと、スー先生から渡された名前シール付き紙袋に入れてくれる。そういえばここ来るまでにこの紙袋がたくさん並んでたな。ここたくさん手術室あるんだなー、なんて思いながら裸足でベッドへ。

・・・高い。

「台、いる?」とミニ脚立みたいなのを取りに行こうとする萌えメガネちゃんをよそに、「ジャンプよ!行けるわ!」とベッドを叩くおばちゃん。

もはや手術ハイなので、まじか!行ける!最初の試練!!となぜか「No, it's OK」と脚立を断る私。

最初のジャンプで見事に失敗し、脚パイプのとこに足かけてみて!と応援され、2回目で無事成功。

テキパキと私の膝下に枕を入れたり姿勢を整えたり、毛布をかけてくれて、ここで萌えメガネちゃんとはお別れ。ありがとう、メガネ可愛かったよ。


ついに来ました、全身麻酔

ベッドでガラガラ運ばれたのは、たくさんのカーテンに仕切られた部屋。え!カーテンあるんじゃん!なぜ病室には付けないんだ!!

どうやらリアル手術室に行く前の準備室っぽい。
ベッドをセットされると、「どうもー、麻酔科医です^^」と、優しい笑顔のステラおばさんのような女医さんが。そうだ、彼女をステラと(脳内で)呼ぼう。幸い、英語ペラペラのステラ、ありがたい。

「麻酔の準備をするわね」

と、私の腕に血圧計を取り付け、右の指に心拍測るクリップを挟まれる。

そして、私の左手を取り、、、

きたーーーー!!!手の甲への点滴注射ーーーーー!!!!!

実は密かにビビっていた、手の甲のやつ。

頼んだわよステラ。


・・・痛い (´;Д;`)

「あーん、ごめんねーーーー」うぅぅ、ステラ刺し直し。

私の横で私の心拍がピコピコ言ってる。これまたドラマでよく見るやつ。それを見ると手術ハイの私の心拍が上がっていくのですよ。怖い、やっぱり怖いもん。海外で手術なんだもん。これから眠らされて起きなかったらどうしよう。ぴえん。心拍が90台までがしがし上がる私。

しかーし!ここは手術ハイの力!

待て、海外だろうが何だろうが、あんたはやるのよ!心屋先生も大丈夫だって思えば大丈夫って言ってたし!そう!ここでこそ4-7-8呼吸法!!!(<③手術前編>参照)

すぅーーーーーーー、、、、、ふぅうーーーーーーーーー、、、、

と、呼吸を整えているうちに見事に心拍は下がりなんと70台に。すごすぎないかこの呼吸法。というか私の心臓忙しすぎ。情緒不安定とはこのこと。

この時の私、多分何も言わなくても顔に「不安」って書いてあったんだと思う。

「手術は初めて?」と優しく聞かれ、

「はい(涙目)」と答えると

「大丈夫よ」と肩をさすってくれるステラ。


(;ω;)ウッ…

心拍のコード踏んでるよステラ…(指がぁーーーー!!)


やっと本当に手術室、全身麻酔へ!

さて、たくさんフェイントがありましたが、今度こそ本当に手術室へ!

手術室のドアが見える、前室?的なところで、手術着とマスクの男性が待ち受ける。私のカルテを見ながら、私の名前、誕生日、何の手術を受けるのかを聞かれる。(手術の説明まで自分でするのね…!)

そして「寒くない?」とやってきたのは、ステラ!!2分振りくらいの再会なのにすでに何かほっとするステラの笑顔。

「朝ごはんは何食べたの?」と聞くステラ。

「えっ…?食べてないです」と答えると、「はい!素晴らしい!!」

うおーーー!!何たる誘導尋問!!!
こっそり食べてたらポロッと言っちゃうところでしたわい。

そして、男性にドイツ語で色々指示するステラ、あれ、、この感じ、、、

(以下、想像翻訳)

ステラ「はい、その機械そっちにつないで」
研修医「はい!」
ステラ「で、これをこうしたらこの数字をここに…」
研修医「はい!」
ステラ「で、これをどこどこに持ってくの、わかった?」
研修医「はい!メモしていいですか?」
ステラ「書かなくていいわ。その時になったらわかるから」
研修医「え、でも、、あ、、(あわあわ)」

え!目しか見えてなかったけど研修医クンなんか不安!!!


ステラはまたも不安そうな私に寄り添って、肩をさすりながら

「We will take good care of you^^」

と言って心拍のコードを踏むのでした。(盛ってません)


そうこうしてる間に手術室から手術着のメガネ女性。
有森冴子をちょっと若くしてドイツ人にした感じかしら。(有森冴子がわかった方、同世代ですね。好きな医療ドラマでした)

研修医の横で私のカルテに目を通す冴子。

「こんにちは。あなたのカルテと手術内容全て読んだわ」

と手術の内容を私と確認する冴子。
なるほど、彼女が執刀医なのね。(ぶっちゃけみんな同じ格好しててよくわからん!)

そして颯爽と去っていく冴子。

冴子…、直前の2分弱くらいの読み込みでOKな簡単手術なのか、まじでこの瞬間に読んだだけなのか、前者だと願いたい。


そして、さらに2人組登場。登場人物多い…!

「はい、麻酔しますので」


あれ、ステラじゃないのか。

ステラ「ほらこっちよ!」
研修医「え!でも…これは…?」
ステラ「いいのよ!つぎの現場行くわよ!」
研修医「あ、は、はいっ…!」

こんな感じで指導医ステラは研修医を携えて去って行きました。
ありがとうステラ、癒されたわ。

そして、ステラの下準備を引き継いだ麻酔科医(と看護師?)と思わしき女性2人。

2人とも英語が苦手。オゥノゥ。

針が刺された左手の甲に点滴が繋がれる。もう1人が私の口に酸素マスクをか当てる。ここでもインプラントはないか、歯の確認。片手で私に酸素マスクを当てながら、ベッドの下で何か調整している。

ずれるマスク・・・あがががが(マスクが鼻にぃぃぃぃ息があぁぁぁあぁ)

ベッド下の何かが終わり、改めて酸素マスクをきちんと当てられ、今度は点滴側の女性にドイツ語で何か言われるのだけど、「メディカメンテ(薬)」しか聞き取れない。

私が困った顔をしていると、酸素マスクの方の女性が、

「えっと、、、えっと、、、We'll give you the first drug!!」

ドラッグて!(笑)

本人も言った後に失笑し、なんか和む。

そして、このドラッグは乗り物酔いみたいにぐるんぐるんするとのこと。


左手の甲に何か液体が入る感じ。
そして間も無く、本当にぐらんぐらんしてきた。ドラッグやべぇ。

「トラウムね」

点滴側の女性に言われる。トラウム??

聞き返すと「えーっとえーっと、ドリーム!!」

いい夢をってことか!ありがとう。


もうここから、眠らされるんだ。
全身麻酔の前は、南の島を思い浮かべてハッピーに眠りに入ろうとワイキキビーチを思い浮かべたんだけど、なぜかそこにあざらし姿のはずばん(夫)(あざらしの顔部分だけが夫)が入ってきて、何これウケるんですけどwwwってニヤリとしたとこで、ぷつっと記憶が無くなります。


<⑤お目覚め編に続く>

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