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春風亭昇太師匠が味わい尽くす!東海道57次「缶詰」の旅(前編)

自宅に400個以上の缶詰を常備する、缶詰コレクターとしても有名な落語家・春風亭昇太師匠。じつは、師匠のふるさと静岡県が「缶詰王国*」なのをご存じでしょうか?
さらに、生まれ育った静岡市清水区は日本で初めてまぐろ油漬缶詰を製造した「ツナ缶発祥の地」。いまも10社以上の缶詰メーカーが、ツナ缶、焼き鳥缶、ご当地グルメのもつカレー缶まで日々おいしい工夫を重ねています。
今回は帰省もかねて、缶詰のまち・清水をぶらりお散歩……と、その前に! 編集部が選りすぐった東海道沿いの缶詰を師匠にご賞味いただきます。東の起点・日本橋から西の起点・大阪まで個性豊かな缶詰が大集合! えっ? 西の起点は京都じゃないかって? いいえ、じつは東海道は57次まであったんです!

*日本中の食卓がお世話になっているツナ缶、その97パーセントを県内で生産。公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会調べ(2019年)

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春風亭しゅんぷうてい昇太しょうた
落語家。1959年、缶詰王国・静岡県生まれ。82年に春風亭柳昇に入門、92年に真打昇進。落語界をけん引するスターである一方、テレビ番組や映画、舞台でも活躍中!

 ずらりと並んだ缶詰に師匠の顔がパッと輝く。中には初めて見る缶詰も。

「すごいねー。缶詰にできないものはない! というぼくの持論を証明しているね!!」

 師匠、目を丸くしながらどんどん試食。

 東の起点、お江戸日本橋からは老舗メーカーのフルーツみつ豆を。

「こういうの、見てるだけで幸せ。子どものころ好きだったなあ」

 と、懐かしそうな師匠。

「でも昔は、豆なんかいらない! って思ってた。これがなければ果物が増えるのに。だけど大人になると、この豆がおいしいんだってわかる。ぼくも成長したんだなあ」

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東京発祥の甘味・蜜豆を缶詰にしたK&K「国産 果実蜜豆」。白ざら糖使用のシロップはすっきりとした甘みで上品な味 ☎0120-417-592(国分グループ本社)

「横浜のチーズケーキとガトーショコラ、滑らかだねー。こういう生ものこそ缶詰にするべきなんだよね。へぇ~鯵の干物の缶詰なんてあるんだ。沼津の特産だもんね。あっ、これに清水のツナ缶と浜松のうなぎ蒲焼缶を組み合わせれば東部・中部・西部を網羅した静岡特別缶詰セットができるね! そうそう、京都のだし巻き玉子缶、老舗の味そのまんま。大阪のたこ焼き缶は食感はとてもしっとりしてるけどおいしい! あおさと鰹節が別に添えられているのも心憎いよ。東海道って本当においしいものの宝庫だね。ごちそうさまでした!」

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横浜ハイカラの缶詰スイーツは、コクのある「チーズケーキ」(右)と、洋酒が香る「ガトーショコラ」の2種。缶の中で生地を膨らませる特許技術でふっくらとなめらかな食感を実現 ☎045-315-7026(エクラスト)

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沼津の名産・干物を缶詰に! 写真は「鯵の干物」で金目鯛もあり。独自製法で骨までおいしく食べられる ☎055-933-1929(ビー)

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興津の山梨罐詰が手がける「静岡釜揚しらす缶詰」は、県内の港で水揚げされたしらすのおいしさをそのまま閉じ込めた一缶 ☎054-369-1101(山梨罐詰)

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[上]貴重なとろ肉を直火で炙ってオリーブオイル漬けにした「シーチキン炙りとろ(きはだ)」。はごろもフーズ創業当時の屋号を復刻させた「後藤罐詰所」ブランドは静岡限定
[下]清水のソウルフードで地元居酒屋の定番メニューでもある「もつカレー」が自宅でいつでも楽しめる一缶 ☎0120-123620(はごろもフーズお客様相談室)

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柔らかな鰻の身肉を一枚一枚油紙で丁寧に包んだ「うなぎ蒲焼」缶詰。甘さ控えめのタレで酒肴にも ☎053-592-0141(浜名湖食品)

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鯛エキス入りで風味よく仕上げた、こてんぐの「おでん缶 牛すじ大根入り」。具材は7種。薄味なので汁もすべて味わえる ☎050-3777-4878(天狗缶詰)

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京都・伏見は玉乃光酒造が作る珍しいアルミ缶の「玉乃光 純米吟醸」。酸味と旨味のバランスがとれたすっきりした飲み口 ☎075-611-5000(玉乃光酒造)

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缶詰バーmr.kansoと京都の玉子焼きメーカー・吉田喜が共同開発した京風だし巻き玉子の缶詰 ☎06-6543-3088(クリーン・ブラザーズ)

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大阪発祥の缶詰バー・mr.kansoが独自開発した世界初のたこ焼き缶詰は、しっとりとした新しい食感。ソースの味と香りも本格的(クリーン・ブラザーズ)

 さぁいよいよ、ふるさと・清水で缶詰めぐりの旅へ!

>>>後篇につづく(※1月4日に公開します)

文=瀬戸内みなみ 写真=武藤奈緒美

瀬戸内せとうちみなみ
広島県生まれ。上智大学文学部卒業後、会社勤務などを経て作家に。猫と旅と日本酒を主なテーマとし、小説、ノンフィクションなどを手掛けている。著書に『にっぽん猫島紀行』(イースト新書)。

出典:ひととき2022年1月号


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