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たった1週間で3歳若返った方法

とても風変わりな実験がありました。

その実験を行ったのは、ハーバード大学の心理学教授である、エレンランガー。ランガー教授はいたずら好きで風変わりな実験をすることで知られています。

ランガーは1979年に、75歳の男性を対象にした実験を『1週間』行いました。

『1週間』です。この数字を覚えておいてください。

男性たちは実験の詳しい内容は知らされずに集められました。彼らがわかっていることと言えば、『1週間、合宿所で暮らすこと』だけでした。

ただし、1つだけ言いつけられていたことがありました。

それは、1959年以降の写真、新聞、雑誌、書籍などを“持ち込まない”ことでした。

実験の内容はこうです。

ランガーは彼らに次のように指示しました。

「これから1週間、今が“1959年”であると思って過ごしてください」

実験が行われたのは1979年で彼らは75歳。なのですが、その20年前の『55歳だった1959年だと思い込んで1週間を過ごす』という実験です。

実験では彼らが1959年を実感できるように、詳細に作り込んでありました。

その当時の服を用意し、その頃のように振る舞うように指示をあたえ、全員に彼らが50代の頃の写真が入った身分証明書が配られました。

コーヒーテーブルの上には1959年当時の雑誌が置かれ、当時の大統領やその時代に起きたことを話すよう指示しました。

彼らに今が1959年だと錯覚させることに成功したようで、やがて彼らの中には、まるで定年退職していないかのように“現在形”で話はじめる人たちも出てきました。

この実験の結果どうなったか?

つまり、たったの1週間、今より20年も前の状態だと思い込んで過ごしたらどうなったか?

驚きの結果が出たのです。

この実験がはじまる前に75歳の男性たちは、体力、姿勢、知覚、認知能力、短期記憶など、『年齢とともに衰えるとされている、心身のさまざまなテスト』を受けていました。

合宿後に同様のテストを受けてもらったところ、ほとんどの参加者で『あらゆる面で改善が見られた』のです。

体の柔軟性が明らかに向上し、姿勢がよくなり、手の力がずっと強くなり、視力が平均して10%近く改善し、記憶力テストも同様に向上しました。

さらに外見さえも変わったのです。

この実験を知らない人たちに、実験に参加した男性の写真を見せたところ、『合宿後の男性たちの印象は合宿前より“3歳若く”見える』ことがわかりました。

たったの1週間、今が20年前だと思い込んで過ごしただけで、身体の柔軟性、姿勢、握力、視力、記憶力がアップし、さらに見た目年齢も3歳若くなったのです。

この実験からわかるのは、

「意識や感覚が若ければ、そのまま実際に若くなる」

ということです。

この実験内容は、2011年に出版されたショーン・エイカー著『幸福優位7つの法則』に載っていました。結構古い本ですが、興味深い内容盛りだくさんです。私も今、読んでる途中です。

世の中は人間心理を暗い側面から分析し改善する、というネガティブ心理学的アプローチの本が多いと感じています。例えばトラウマを克服する方法や、鬱を治す方法など。

それに対して、人間の長所や強みを研究する心理学にポジティブ心理学があります。

この本の特徴は、ポジティブ心理学的に『成功』や『幸福』を論じているところです。

私たちの一般的な感覚では、「努力すれば成功し、成功すれば幸せになる」という考えが多いはずです。

ところがこの本は「それは違う」と言います。

普通は「成功が先で、幸福が後」だと考えられていますが、そうではなく、「幸せが“先”で、成功が後」だと、言います。

最初に脳を幸せでポジティブな状態にすることで、モチベーションが高まり、効率的に働けて、挫折から立ち直る力が湧き、創造性が増し、生産的になり、仕事はずっと上手くいくようになる。これは何千という科学的研究によって、明らかにされている。

と、この本の著者は言います。

その脳を幸せにする法則を7つにまとめ上げて、この本では紹介されています。

もし興味があれば読んでみてください。

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