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繋がっていないから、感じた"繋がり"

ここ最近、僕の推し
"コインランドリー のおばあちゃん"
にめっきり会えていなかった

仕事の都合で、僕が毎日通っていた時間に
おばあちゃんのコインランドリーの前を
通れなくなってしまったことが原因

たまにジムの帰りに
運良く会えることもあったが
それもここ最近、ずっと無かった

おばあちゃんの明るく
パワフルな笑顔に
いつも癒されていたので、少し寂しい

そんなある日、相方が
仕事用のタオルを乾かしに
コインランドリーに行った

その日はコインランドリーの掃除をしに
ちょうどおばあちゃんが来ていたようで
「旦那さんに最近会わないけど、元気にしてるー?」
と心配してくれていたとのこと

なんだか心が一気に
ぽかぽかと温かくなった

僕は、そのおばあちゃんのことを
正直何も知らない
名前も知らなければ、正確なお歳も

SNSなんてもってのほか
LINEも繋がってないし
Instagramだって、もちろん知らない
(というか、やっていないと思う)

だからコインランドリーにいるとき以外
おばあちゃんがどこで何をしているのか
Instagramで繋がっている友人のように
僕が知ることは、ない


相方にそんなことを言われた翌日
ふらっと散歩に出て
八百屋さんの前を歩いていると
偶然にも、おばあちゃんの姿を発見

コインランドリーの前以外で会うのは
はじめてだった

「おばあちゃん、こんばんは!」
嬉しくなって、すぐさま声をかけた

おばあちゃんはびっくりして
初め、きょとんとしていたけれど
僕だと気づき
ぱーっといつのも笑顔を見せてくれて
「ニコニコさんー!こんばんは!
  最近会えないからどうしてるかな〜?
  って思ってたのよ!元気してたのかいー?」
と声をかけてくれた

ニコニコさんは、初めて呼ばれたが
僕が「笑顔のおばあちゃん」
と思っていたように
おばあちゃんも僕のことを
そう覚えてくれていたことが
なんだかとっても嬉しくなった

とても元気で過ごしている
ということを伝えた後は
いつものように
たわいもない話をし

「じゃぁ、あたしゃこれから晩酌なので」
と、お猪口をくいっと
口に運ぶそぶりをしながら
いたずらっぽく笑い
手を振って帰っていく
元気なおばあちゃんを、見送った

あぁ、今日もおばあちゃんに会えて嬉しい
心がとっても、ぽかぽかする

僕が知ってるのは
街の人から愛されているおばあちゃんということ
(街の人がコインランドリーの前を通りがかるたび、おばあちゃんに声をかけていく)
同じ東北出身ということ
お酒が大好きだということ

通りがかりで、挨拶して
少し話すだけなので
まだまだ僕は、おばあちゃんのことを
よく知らない

だけども

おばあちゃん、元気かな〜
ご実家は今頃、雪かな?
今日もお酒飲んで笑ってるのかな〜?

そんなことを
何気なく、日々の中で考えている自分がいる

SNSで繋がっていると
その人がどこで何をしているのかを知れて
会っていないのに
会っているような気持ちになれる

それはとっても便利だし
安心することも、多い

でも、そういう繋がり方だったら
僕はおばあちゃんとの繋がりを
こんな風に、大切に出来ていなかったかもしれない

繋がっていなかったから、感じられた「繋がり」

明日はおばあちゃんに、会えるかな〜?

そんなことを楽しみにしながら
今日も眠りにつく

頭にはおばあちゃんの素敵な笑顔が
ふわりと浮かんだ

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