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【よなよな哲学】ないものねだり。それでいいのだ。

毎日仕事が楽しくてしかたない。
不満も不安もゼロです!!

そんな人ってほんとにいるんでしょうか。たまにSNSで見かけるんです。1度も顔を合わせたことのない方々なので、本当のところはよく分かりません。事実だったらすごいなあと思います。

どんなに楽しいことでも、レベルアップしていこうとすると、その過程で辛いことや苦しいことは必ず出てくると思うんです。逆に、嫌なことも人間関係のストレスもなくて、刺激0の毎日だったら、それもそれでしんどくなります。

不思議ですよね。今まで色んなことに挑戦する中で、辛かったことの方が絶対多かったはずなのに、思い出すのは楽しいことばかり。制服でアイス食べながらチャリ飛ばした夏の下校道。本番終わりの熱気に包まれたステージ裏。楽器を握りしめた手にこびりついた、金属の匂い。

もちろん辛いことも覚えてはいるんです。でも、辛い感情はどこかへ消えるんですよね。思い出すのは映像だけ。友達とぶつかったり、親と喧嘩したり。葛藤と意地と悩みまみれの日々も、大人になると愛おしくなる。それだけ自分が成長・成熟しているんだと思いたいです。過去の自分が幼なく見えるということは、それだけ大人になったのだと思います。

社会人になるのが私はずっと怖かったんです。今でも怖いです。社会ってこわい。なんかずっとピリピリしてるし、みんなもっと楽しいこと考えようよ、青春ぽいことしようよって思います。学生と社会人は違う。これは、どの大人も言います。そう言われるから嫌だったんですよね。あれってもはや脅し文句じゃないですか。新卒ほしい!会社の将来担って!て言う割に「ま、社会人は学生気分じゃ困るから〜」て溝を作ります。あれなんなんですかね?

私は自分に子どもができたとしても、絶対にその言葉だけは言わないと決めています。学生のまんまでいいよ。そのまま飛び込んでみて、だんだん泳ぎ方を覚えればいい。最初から肩に力入れて、大人ぶらなくて大丈夫。そのまんまでいいのよ。

他のnoteでも書いたんですが、学生と社会人の溝を作っているのは私たち社会人なのです。大学・高校と社会の架け橋がいつまで経っても建設されないから、学生は困るんです。もちろん企業側も努力はしています。インターンシップとかね。でもやっぱり、まだまだ足りないんですよ。

国として変えていかないといけない。社会問題の根本には必ず学問がある。それに気づき、大学をひとつの研究機関としてとらえ、大学での学びや研究をいかに重要視できるか。そんな学生を増やすための教育はどうあるべきか。真剣に考えないとだめなんです。新卒の若い社員が精神を壊し、自ら命を落とします。ずっと我慢してきたベテラン社員が、急に命を落とします。絶対にあってはならないんです。あってはならないことを可能にしているのが、今の日本の教育体制なんです。



おっと、熱が入りすぎてしまいました。最近若い人が亡くなりすぎなんです。思わず気持ちが入ってしまいました。すみません。

少し話を戻しましょう。社会人になるのが怖かったという話です。辛いことや苦しいことは、きっといつかただの映像に変わる。それはなんとなく分かってはいるけれど、苦しいと分かっている場所になんでわざわざ飛び込まないといけないんだ。学生の時はそう嘆いていました。

私が1番最初に入った会社は、本当に良い会社でした。恵まれすぎていたと思います。良い意味でも悪い意味でも、学生の時の素直さや優しさを持ったまま、会社員をスタートできる環境だったんです。社長が人間味溢れる方だったのがいちばん大きいですね。こんなことを言ったら絶対に怒られるけど、やや難易度の高い部活のような、そんな温度を感じていました。

でもやっぱり、毎日8時間向き合う仕事ですから、大変なことがなかったわけじゃないんですね。会社内の人間関係で悩んだことは1度もありませんでしたが、仕事内容で胃をキリキリさせていたことはありました。あとは、自分の成長について。これは社会人になってから気づいたことなのですが、日々の仕事が血肉になって自分の力がついてくる、いわば筋トレみたいな感覚がないと、私はやりがいをあまり感じないのでした。

マーケティングがメインの仕事だったんです。いくら目に見えて数字を出すことができても、それはまぐれかもしれない。ビジネスに必勝法なんてないし、今回偶然上手くいったけど、次はどうか分からない。あまり面白さを見いだせなかったのです。マーケティングというお仕事に。

そうやって、日々の仕事や自分の成長について悶々となりながら過ごしていました。そして転職を決めたんです。やっぱり表現を仕事にしたい。小さい頃から私は音楽とか絵とか、表現にまつわることばかりやってきました。でもそれを仕事にできるとはまさか思っていなかったんですね。でも今ならできるかもしれない。自分なりに指針があったので、思い切ってデザイナーに転職したわけです。


でもね、やっぱり転職しても、それなりに辛いことはあるんですよ。当たり前やんと思うでしょ?そうなんです。でも私たちは忘れるんです。過去はただの映像になって、楽しいことばかり思い出されるから。だからいざ、辛いことに直面すると「うわあー逃げたーい」て思うんです。みんなそうだよね?好きなことがいつか嫌いになるかも、という恐怖感もあるけど、なにより、この胃がキリキリする環境から脱出して自由になりたいという気持ちが強かったです。

自由になれる選択肢も目の前にあるから、こう思うんですよねきっと。いつでも逃げようと思えば逃げられるじゃないですか。ここは日本なので、働かずに生活保護受けながら生きていくことはできます。就職が正義だという時代が幕引きとなっているので、どんな働き方でも世間はとやかく言いません。逃げられる確率がすごく高いので、忍耐の気持ちが薄れていくんです。

やばいなあと思いました。やっぱビジネス向いてない。デザイナーは表現者とはいえ、根っこにはビジネスがある。それがどうしてもアレルギーなんです。


じゃあどうすれば満足なんだって言われると思うんですが、きっとどうなっても文句は言ってるのだと思います。そんなもんです。ないものねだりなんです

多分、それでいいんです。

小学生の時の幼なじみ男子たちと飲んだ夜。彼らはずっと仕事の愚痴をこぼしていました。誰が言うこと聞かない、上司がうざい。言ってることはほんとに、ただの愚痴です。タバコふかして、お酒を煽りながらの愚痴大会。彼らは大学に行っていません。高校を卒業してすぐに働き始めたんです。私よりずっと先輩なんです。「大学で遊ぶより働いた方が絶対いい!」とプチ嫌味も言われました。一理あるかも?と濁しておきます。

でも、ひとしきり言いたいことを吐き終わったら、彼らは笑いながら、仕事の良さを語り始めるんです。こんな事ができるようになった。今の仕事を選んで良かったのは、友達が困った時にすぐに助けられることだって、車関係の仕事に就いた彼は言っていました。彼、文字通り飛んでくるらしいんです。車のことでなにか困っていたら、お金とか関係なく(多分)、飛んでくるんです。

私は彼らをとっても尊敬しています。かっこいいなあと心から思うんです。今まで東京で出会ってきたどのビジネスマンよりかっこいい。どんなに嫌なことがあっても、どんなに上司が面倒くさくても、自分の仕事によって、半径10m以内にいる友人を助けられたら、それで満足だって


辛いことも苦しいこともある。
でも、その根っこに信念があるから。
大切な人たちのSOSに答えられるから。


私もそうなりたいなと思いました。
壮大なことはできなくてもいい。
世界とか救えなくてもいい。

大事な友人や、家族が困っている時。
なにか新しいことをしようと企んで、
表現の力が必要な時。

すぐにそばに行って「私に任せとけ」って言えるような、そんな表現者・哲学者でありたいと思うんです。

ないものねだりで、いつも愚痴ばかりこぼすかもしれません。周りの環境にケチをつけて、お酒ばかり飲むようになるかもしれません。でもいいんです。ないものねだりでいい。だから、足だけは止めないでいたいです。泥まみれでも、酒まみれでもいいからゆっくり進んで、大事な友人たちと「仕事って、悪くないよな」と笑いたいです。

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