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【よなよな哲学】夏休み。幼なじみが結婚するってこんな感覚なのか。

“偶然”にアンテナを張るようにしています。
なんとなく訪れた本屋で、なんとなく手に取った本の、なんとなくめくったページに書かれていた文章とか。今の自分に必要な言葉が書かれている気がして、すごく覚えているんですよね。

この前、祖母の家の本棚をなんとなく漁っていたら、「世界最強の商人」という本を知りました。この本が棚にあったわけじゃないんですけど、とある本の中で紹介されてたんです。

最近ちょうど商売について知りたいなあと思って、トルコはイスタンブール行きの飛行機のチケットをとったところでした。今安いんですね。直行便でも往復15万を切ります。パスポートは切れてるし、同棲している彼氏には伝えていないけど、まあいいか、と思って予約しました。完全にノリです。なんか、行けば世界が広がる気がしたんですね。イスタンブールのグランバザールの空気を吸いたいんですよ。世界中?の商人が集まる巨大マーケット。彼らから学べる気がしているんです。お金とはなにか。商売とはなにか。

日本にいると、どうも分からないんですね。たくさん本を読んだりもしたんですが、あまりピンと来なくて。お金と自分の距離感を掴むことはできたんですけど、じゃあこれから自分がどうやって商売をしていこうか、となった時に、この資本主義社会の仕組みに完全に迎合してやっていくイメージがどうもつかなくて。

じゃあ1回日本以外の空気を吸おうか、ということでイスタンブールにしました。好きな作家さんが最近行ってたんですよ。そんで、イスタンブールの商売について話していて。それで興味を持って、行きたくなったわけです。なにかヒントをもらえるといいなあ。


そんなこんなで、偶然をよく信じる私です。このお盆の期間でも、面白いことがありました。最近結婚する友達が増えてきて、まさに第1次結婚ラッシュの波が始まったなあと感じているところだったんです。

まず、幼なじみの一個上のお姉ちゃんが入籍しました。幼少期を一緒に育ってきたお姉ちゃんです。家族ぐるみの中で、今でもお付き合いが続いてるんですね。それで、私が地元に帰省すると連絡したら「会おう!!」と誘ってくれたんです。

最初は家族みんなで会おうという流れだったんですが、両親の都合が合わなくて。私たちだけで会う流れになったんです。そしたらお姉ちゃんが「旦那紹介したい!!」と言うんです。おお、と思いました。どうしよう、なんかすごい感情だ。親のような気持ちってこれかしらと思いました。

小さい頃からずっと一緒にいた人が結婚。旦那さんがいる。この年齢になると当たり前のように起こることかもしれないけど、いざ対面で紹介されるとなるとドキドキするもんですね。何を質問しようかしら。馴れ初めとか?どこが好きとか?さすがにウザイか…。自問自答も虚しく、結局、一緒にご飯を食べる中でわかったことは、お相手の職業くらいでした。特に質問デキナカツタナー。

でも不思議な感覚だったんですよね。お姉ちゃんの隣に、新しい家族がいる。いつも彼女に会う時は、お父さんやお母さんと一緒に会ってたから。その2人がいなくて、新しいパートナーが横にいる。時の流れというか、歴史を感じました。お姉ちゃんの過ごしてきた時間の密度とか、空気感とか、パートナーへの思いとか。ああ、彼はもう家族なのだなあと感じたんですよね。バトンタッチが行われたのだなあと思いました。バトンがしっかり渡されて、それを受け取って、またそこから歴史の続きを紡いでいくんだなあって。しみじみ感じました。嬉しいというか、寂しいというか。なんとも言い難い気持ちでした。


お姉ちゃんとのお食事が終わったすぐあと、もうひとりの友人から連絡があり、ご飯に行くことになりました。4人組のイツメンです。小学生の時からの幼なじみで、帰省の度に飲みに行く仲です。ド田舎で大自然の中いっしょにのびのびと育ってきたからなのか、不思議にもご縁が途切れないのですよね。イツメンのうちの1人が結婚するということで、来週結婚式があるんですよ。それに私も参列するんですが、その前夜祭?みたいな感じでご飯に行ったんです。

そしたらね、びっくり。助手席に奥さんがいたんです。初めましてです。存在は知ってたけど話すのは初めて。車のドア開けた瞬間うおおおって野太い声出しちゃいました。ご結婚おめでとうございますうううって、暴走族の頭に挨拶するみたいなノリで頭を下げました。ちょっと引かれてたかな。失敗したな。

奥さん来るなんて聞いてなかったので、ほんとにびっくりでした。イツメンが5人に増えました。みんなで楽しくびっくりドンキーにいきました。不思議な感覚。はじめましてのはずなのに、普通にお話して、それなりに楽しくて、普通にみんなでまた家に帰ったんです。友達に家族が増えるってこんな感じか、と思いました。輪が広がるってこういうことか。温かいなあと思いました。

特に何か、言葉があったわけじゃないんです。いつも通りご飯食べて、くだらない話して、昔話して、結婚式の話もちょっとして。でもなんか、初めましての人とのご飯って、もっと背伸びしちゃったり、緊張したりするものだったんですけど、そういうのがほとんどなかったんですよね。”当たり前”の空間に溶け込んでくる感覚というか、異質感がないというか。もう、前からこういうメンツだったよね?と言えそうなくらい。すごく懐かしくて、くだらない雰囲気だったんです。


近しい人が結婚するってこういう感覚なのか。
少し驚きました。もっと、泣いたりとか、幸福な気持ちになるかと思っていました。でも、ちょっと違ったんですよね。輪が広がって、自分が温かさを感じる空間が広がって、立体的になった感じ。

好きな人と家族になるってこういう感じなのか、と思いました。思わず彼氏を思い浮かべてしまいました。結婚と言うとどうしても自分たちの生活を思い浮かべることが多かったけど、彼が旧友と交わった時の空気感を想像してみるのも、面白いなあって。私もいつか、結婚するってなったら、友達に紹介するのか〜。「旦那さんです」って言うのか。なんか面白いな。彼のあの性格だったら、友達はどんな反応するかな。なんか面白いな。


友だちのパートナーと顔合わせをして、
想像をふくらませて、少し泳がせてみた。
そんなお盆休みでした。


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結婚式の思い出

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