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最高におもしろくて、家族とは?を考えさせられる本 「猫沢家の一族」

末っ子4人目が誕生し、6ヶ月になります。

常にべったり生活、夜も授乳しながら添い寝の日々。映画をじっくり観る…とは程遠い、期間限定の赤ちゃん生活。そんな中、最近気になっている猫沢エミさんの新刊を読みました。本はじっくり観なくても、分割して読めるので授乳母の外気に触れたい欲を満たしてくれます。

猫沢家の一族

猫沢エミさんは、ひょんなところからインスタで知り、日常を鮮やかに、ユニークに表現する文才に惹かれ、フォローしていました。

同じものを見ていても、そこから何を感じ取れるかは、その人の生き様が反映されると思っています。その人の生き様、経験値によって受信するアンテナの数が変わるのだと。それは年齢とは比例していないということも、歳を重ねるごとに実感中です。

だからこそ常に自分の中のアンテナを増やしていくよう意識しないと、中身がすっからかんの、でも肝だけ座った痛いオバさんになる…。

猫沢さんのインスタから、日常をこうして鮮やかに彩る意識や感性、そしてそれを表現する能力に刺激をもらっています。

Emi Necozawa/猫沢エミ

そんな猫沢さんの生い立ち、ご家族の様子が綴られているのが「猫沢家の一族」。家族の様子を綴って一冊もの本が出来ちゃうの?と思っていたのですが、あまりにぶっ飛びすぎているご家族で、破壊力半端ないエピソードが、一冊にぎゅっとつまっていました。

授乳しながら、すやすや寝出した末っ子の隣で、肋骨骨折の痛みをカバーしながらの不自然な体位で本をめくり、何度声を出して笑ったことか。当たり障りない人生を歩むより、苦難にぶちあたり、それを消化し乗り越えている人の魅力、深さを堪能させていただきました。ありがとうございます。(肋骨骨折についてはインスタで綴っています。)

そして心に刺さった最後より、一部、部分引用します。

「家族」という、血の繋がった人間の最小グループの呼び名は、いつの間にかたくさんの理想や夢を押し付けられ、“良い”という透明な冠詞がつくに至った。

近年日本で起こる家族間の陰惨な事件などを見ていても、その背景は貧困や教育不足といったネガティヴな理由だけにとどまらず、むしろ一見、完璧に見える幸せそうな家族にこそ、より根の深い問題が横たわっていると感じる。収入、社会的立場を守ることでしか「家族」を守れないと思い込んでしまっている人たちは、ふと気づけば空っぽの箱に、血の繋がりこそあれど意思の通じない家族という人形を配置して、自らも満たされない空虚な思いを抱えつつ、“幸せってなんだっけ?”と自問する。

血の繋がりよりも、共にした時間が生む愛の存在こそが、唯一、家族と呼べるかどうかの条件ではないだろうか。

とにかくぶっ飛んでいるご家族でしたが、ここまでユーモアたっぷりに描く猫沢さんの文章から、ご家族への愛が感じてきて。それは「私たち家族、仲が良いです。理想の家族です。」というような今のInstagramでありがちの表面的なものではない。濃厚な関わりをしてきた、その過程こそが、猫沢家の家族の愛の形なんだ、というのが伝わってくる。

単なる表面だけの関わりでは、相手を受け入れているとは言い難い。受け入れているからこそ、相手を否定も肯定もする。それも含めて自分と対峙してくれる人がいることで、心からの安心感を得るのだと思います。

これは数年前の私だったらわからなかった。

一般的な家族の形として、一見、何も不足のないような生活を送っていて、でも、心の奥底で満たされていない自分がいたから摂食障害はひきずっていて、結婚している身で、今の旦那さんに惹かれて離婚、再婚。

でも、その後、がちで人と対峙し出したら、それがきつくて。人と向き合うとは自分と向き合うことになるのだと初めて認識するに至ったわけです。今まで見てこなかった、一番逃げていた、自分の内面。その結果、また抵抗し続けたという^^;相手の責任にして。

でも1度目の結婚があったからこそ、相手の問題ではなく、これは自分自身の問題なのだと思えるようになったところは大きいです。そしてそんな私から逃げずに向き合ってくれた今の旦那さんのおかげで。

愛とか、愛するということとか、わからなくて、でも求めていて、この数年はもがいていました。でも、今、こうして猫沢さんの本を読んで、家族とは?の一つの形に触れさせてもらい、胸が熱くなっている自分がいて、それも嬉しかったです。

タイムウェーバー深層心理分析セッションを提供していますが、これは自分の中のアンテナを増やす大きな助けになると思っています。

https://honoiro.com/seminar/timewaver-etsuko/

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