アイリッシュセッター14歳介護



後ろ脚を引きずりながらも散歩を楽しんでいたちゃちゃ。
だんだんそれさえも出来なくなっていった。
トイレの時は必死で立ち上がろうとするが途中で諦め、恨めしそうな顔を向ける。
ベルトを付け、一歩一歩進む。
食事も顔をそむけ、だんだん受け付けなくなっていった。
お水だけは容器を側に持っていくと、飲んでくれる。
こんなに元気に飲むなら食事もと口に運ぶが、そっぽを向く。
自ら動くことが減った。
床ずれがこわい。
エアーマットを使うことにした。 
体交もしていたが発赤発見。
皮膚剥離になったら栄養も摂れていない中、悪化してしまう。
周囲の毛をカットし洗浄し軟膏処置。
一日3回ほど少量ながら続く下痢便。頻回なオムツ交換。

お天気がいい時は、
一輪車に乗せて農道をゆっくり歩く。
ちゃちゃは重たい。
バスタオルの両端を2人で持ち、よいこらしょと乗せる。

冬、周囲の畑が雪に覆われる時、
ちゃちゃは広大な雪原を走り回る。
疲れを知らないちゃちゃ。
夏、きゅうりが好きなちゃちゃは隙を狙ってハウスからもぎ取り、パクパク食べる。
あと1ヶ月もすればきゅうりが採れる。
今年は食べてくれないかな。

見慣れた景色。 
一輪車の上でどう映っていたのだろう。
風を感じてくれたかな。

床ずれが悪化せず、
痛み苦しみが少なく、静かに休める時間をあげてほしい。

看護師時代おこなってきた終末看護。
人となんら変わることはない。

深い緑の中、今日も雨が降る。
晴れたら散歩しよう。

※この記事を投稿した3時間後、ちゃちゃは旅立った。
明日も雨模様。
お日様の下でもう一度散歩がしたかった。

ちゃちゃ、さようなら。

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