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逆光に映えるススキへ委ねる

「今年は柿がよく穫れる」
県外の友達がいうから「えっ、ほんまに⁈」

柿はスーパーで買わなくても、田舎では
畑の隅にある果実の認識だったのに
田んぼや畑が宅地造成され、天然でほぼ見かけない

わたしが住んでいる場所はね

「前はここって雑木林だったよね」の場所は
ハウスメーカーが囲う大きな住宅地になっており
田んぼや畑も、今は少数の家が軒を連ねる

店が増えるのではなく、家が増えていく
新しさが薫るベットタウンに
一抹の寂しさがある

小学生の列に挨拶すると、変質者として扱われ
犬の散歩をする人達とも無言ですれ違う
近所の中古に引っ越してきた人も
ご挨拶がないので、名前も知らない

それはそれで、現代の主流なので良いのだけど
マガモがたくさん集まる池がなくなり
屋根も壁も真っ黒な住宅が密集していたのは
ちょっと残念だった

ガマの穂を見るため、遠くへ足を運ぶ
とうとうこんな日が訪れてしまい
護岸工事されてない、小川に茂る
逆光に映えたススキへ気持ちを委ねる

一層、美観に手を入れた人工的なものに
心が揺れる感受性は、感受性なのだろうか
素朴さのない、わたしが考える余地もないけど