先々週、レオ氏はインフルエンザに感染し
思いの外、長く寝込んだ

高熱でうなされる最中、大きなムカデが
天井を這っている妄想を見ていると思ったら
ムカデは現実のもので
関節痛で動かない身体をどうにか起こし
殺虫剤で退治したんだと

そして先日、またムカデの話になった

刺されなくて良かったね…と言いつつ
ムカデやゴキは気の毒だね
わたしは語る

ムカデは危害が怖くて刺すのは自衛
ゴキなんてさ、自分がばい菌を持っているなど
知らないまま、殺されちゃうんだよ

人間も同じだよ

心と頭が弱い人から
「アイツ嫌い」「アイツが悪い」なんて
自分の意図せぬまま
排除だの駆逐だのと言われて、中傷していいなんて

ムカデやゴキを人間は理解することができない
人間は、自分とは異なる人を理解しない

そりゃね、ムカデやゴキを殺さないと
人間だって自衛しなきゃね
でもさ、人間と人間がよ
それって正当防衛の線引きはどこへ

清潔感を高め、出来るだけ自分の個性を潰し
精一杯生きているのに
同じ人間を気持ち悪いだの、死ねだの

確認だけど、心と頭が弱い人は
自分がされたいことを、人にしているんだよね？

自分がされたことは他人にしないどころか
自分がされたことを
他人にしていいという正当化してんじゃないの

心や頭が弱い人は
人としての正常な機能が壊れたんだろうね
ムカデやゴキみたいに共存は困難かな

世間は未だに人権を叫び、自分以外の人へ
痛みを与えないように啓蒙している

自ら、弱さや欠点があると感じながら
気に入らない人を叩き潰さないと気が済まない
昔、誰かからされたように

意思を持たないまま、生を受け
意思に反して、命は消えていく
石となって、わたしは消えたい

「アイツ嫌い」離れたらいいのに
いつまでも嫌いな人へ執着する人がいて
自分は偉大だと勘違いした尊大な人達

何にしても執着心は不要かもね

「嫌なことがあれば、ここに来なさい」
咳き込みながら、レオ氏がつぶやいた