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筋を通さない不健全に宿る欲

悪いことをしちゃったな…
目線を地面に下げたまま、黙々と歩く

キンモクセイの香りが好きで
自宅の消臭剤やミスト、練り香水はキンモクセイ
片鼻から微量に香るだけで
リラックスして、所作がゆったり振る舞える

微風がある中
ショッピングモールの駐車場を歩くと
「あ、キンモクセイの匂いがする」
「どこからかね?」

「はーい!わたしです!」言えるワケがない

今、とても悪いことをしているような
申し訳ない気持ちで、聞かなかったことにした

そういえば、本物のキンモクセイを香っていない
もう何年も前から

クンクンと鼻をひくつかせても
キンモクセイの香りは途切れ跡切れにしか匂わず
儚い香りは、コース料理の前菜やデザートみたい

わたしの思い通りにならないから
ひと口で食べられそうなマリネをちびちび食べて
自分の「もう少し食べたい」という願望を
見事に狂わせ
筋を通さない不健全に宿る欲を掻き立てる

ああ、人の色香も似てるかな
満たされないから名残になるんだろうね
色香のある女性になってみたいけど
花の香も、色香も持って生まれた才能だな

出し惜しむ訳ではないのに、引きに美学がある
引きを理性というんだけど
自分らしさを俯瞰して磨きをかけるってことかな
美味しい前菜も大量に食べたら「らしさ」が失せる

ま〜た、話が散らかったよ笑