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一度きりのうぐいす嬢

こんにちは。

骨折生活〇〇日と書いていましたが、連続投稿もしなくなったのでやめようかな…。
まぁ、たぶん43日目。

仕事復帰まであと2週間。

おお…働けるかな?

その他、家事も出来るかな?
まぁ、その辺はサポートしてもらいながら徐々に慣れていきましょう。

なんとかなるさ。

なんとかなる…といえばこちら。
つぶあんさんの記事。

つぶあんさんは、うぐいす嬢を頼まれて、いやいや、ムリでしょと思い断ろうとするも、困っていることを知ると
「わかりました」と引き受けます。
その後、出来るのか?出来ないのか?の押し問答を1人頭の中で繰り返し、結局、「なんとかなるさ」と、意を決して、選挙カーに乗り込んだつぶあんさん。

さて、後編はどうなるんでしょうか?
気になりますね🧐

こちらの記事を読んだ時に、私もうぐいす嬢をやったことを思い出し、失敗談をコメント欄に書きました。
そしたらなんと、文子さんからこのようなコメントが…。

え❓ららみぃたんさんの経験談も是非って書いてる⁉️
マジっすか⁉️

ってなわけで、お調子者の私は、このコメントを間に受けて、書くことにしました。

大した話ではないのですが、私もうぐいす嬢になったよのお話を書きたいと思います。


あれは、26歳くらいの時でした。
会社の組合の人から、今度の市議会議員選挙のうぐいす嬢をやってくれと言われました。

うーん…。
一瞬迷いましたが、高校生の頃演劇部にもいたし、卒業してからは、同年代の人たちと一緒に演劇をちょこっとだけやっていたこともあったし、組合のパーティなどでも簡単な司会なども友だちや同期とやったことがあったので、そのくらいお茶の子さいさいだと思い、引き受けることにしました。

しかも平日にやるというので、仕事も堂々と休める。

ホントに安易な気持ちで引き受けました。


いざ、本番の日。

当日現地に行き、そこで簡単な挨拶を済ませました。
そして、お揃いのトレーナーを着て、ショートパンツのようなズボンを履いたかな?
そして、白い手袋をはめました。
私、手が小さいのでブカブカです。
あ、トレーナーもブカブカでした。
下がショートパンツみたいな、キュロットパンツ(若い人にはわからないかな?)を履いていたので、ちょっと間違うと、男子の好きな格好になっていたかも。
彼氏のトレーナーを着て「ブカブカ〜」のやつみたいな格好になってました。
まぁ、そんな可愛い感じにはなっていなかったのですが…。

出発式で、軽めの演説のようなものをしてから、選挙カーに乗り込みました。
車は7、8人乗れるタイプ。

車に乗り込んでからA 4サイズの紙を渡されました。

そこには聞き覚えのあるセリフがいくつか書かれていました。

この中から自分で選んで言ってもいいし、オリジナルの言葉を言ってもいいよとのこと。

2、3個覚えて、同じセリフをずっと言ってていいよとか、少しくらい間違えてもいいからと言ってくれた。

オリジナルのセリフなんてわからないし言えるはずもないので、この中で言いやすそうなものを探した。

車の中で、私は北島マヤだと思いながらブツブツ言う私。

が、言い慣れてない言葉ばかりで、どうやっても覚えられない。
いや、見て言えばいいから覚えなくてもいいのだ。
いいけど、ある程度覚えたい。
なのに全然覚えられない。めちゃくちゃ短いセリフなのに。
しかも舌も回らない。
一気に焦り出す私。
やはり、北島マヤになれない私。


車の中に乗り込んだうぐいす嬢は、私を含めて4、5人。
2、3回やったことがある人と、私のように、未経験者もいた。

1人、めっちゃベテランさんがいて、その方はめちゃくちゃ上手かった。
後から聞いたらその方は元バスガイドさんだという。
なるほどマイク慣れしてるわけだ。

彼女のうぐいすから選挙カーは出発しました。

「〇〇町の皆様おはようございます」
「朝早くからお騒がせして申し訳ございません」
「〇〇町の皆様に見守られて、北川のりやす(仮名)、行ってまいります」
「北川のりやす、頑張ってまいります」

めちゃくちゃいい声で、ナチュラルなセリフ回し、そして何よりも声に明るさがある。

こ、これがプロや…と思ったら、安易に引き受けてしまったことに申し訳ない気持ちになり、どんどん緊張してきました。

言える?これ、私言えるのか?
悶々としながらも道行く人に笑顔で手を振る私。

手を振ったり、セリフを覚えたりしながらドキドキしていました。


その間にもベテランうぐいす嬢は、狭い道で対向車が避けてくれると
「お車のご協力ありがとうございます」と言い、ライバルの選挙カーがいれば
「お互い最後の最後まで頑張りましょう」などと言い、クラクションを鳴らされれば
「クラクションでの声援、ありがとうございます。北川のりやす頑張ってまいります」と、言い、小学生が、手を振れば
「小さな子たちの温かい応援、ありがとうございます。お勉強頑張ってね」と、選挙権を持たない子たちにも声をかける。
A 4の紙には書いていないアドリブを随時繰り広げるプロっぷり。

す、すごい。
そもそも「ご協力」って言葉が言い慣れてないから、言えない。
「手術」ってくらい言いにくい。
めっちゃ噛む。

小さな声で
「あえいうえおあお」
「アメンボ赤いなアイウエオ」
「おややや母親に謝りなさい」
などをブツブツ言うが、舌は回らない。

そうだ。
私が演劇をやっていたのなんて、ハタチくらいまでだ。

ブランクがありすぎる。
やるなんて言わなきゃ良かった…。

どんどん後悔していく私。

しばらくは、私の番も来ず、ベテランうぐいす嬢さんや他のうぐいす嬢さんたちが交代で行なっていました。

いよいよ、閑静な住宅街に入った時に
「そろそろやってみようか」と、私にマイクが回ってきた。

き、きた。

一気に緊張する。

「北川のりやす。北川のりやすをよろしくお願いします」

「北川のりやす、北川のりやすでございます」

私はめちゃくちゃ簡単で短い文のもののみを採用して連呼した。

で、言ってしまった。
「北川やすのり…ハッ‼️」
間違えしまったのだ。
すぐに
「北川のりやすです」と言い直したけど、時すでに遅しだ。

車内は一瞬沈黙になった。

名前の言い間違いだけはしないようにね、と念を押されていたのに、やっちまった。

「のりやすをやすのりって、間違えやすいから気をつけてね」と、何度も言われてたのに、そのお約束通り間違えしまったのだ…。

お、終わった…😨
「やすのりではございません。のりやす。のりやすでございます」
くらいアドリブが言えたら良かったけど、そんなアドリブは一切出来なかった。

「大丈夫。ここは閑静な住宅街で、若い夫婦が多く住んでるから、日中はほとんど人がいないから。ここで良かったよ。大丈夫。大丈夫」と、ベテランうぐいす嬢さんがフォローしてくれた。

や、優しい…😭
声だけじゃなくて、心も綺麗な方で、助かった。

当の本人、北川のりやす氏もとても温厚な人だったので、怒ることもなく、私はお叱りも受けずに済んだ。
笑ってはいなかったけど、普通にしてくれた。

この人は胃腸が弱く、バナナしか食べないとベテランうぐいす嬢が言っていたのを聞き、
「そんな人が市議会議員になって大丈夫かよ」と少し馬鹿にしてしまったことを心の中で詫びた。

私はその後、数回言ってから、違う人に代わった。

その後も何回か私に回ってきたので、そこからは
「の・り・や・す。のりやすをよろしくお願いします」と強調して言った。

夕方…夜かな?事務所に戻って来てからうぐいす嬢たちでお茶を飲みながら軽く反省会をした。

私はやってはいけない名前の間違いをして申し訳ないと再度謝った。

ベテランうぐいす嬢さんは、
「のりやすとやすのり、間違いやすいからねぇ」と軽く言ってくれた。
さらに
「ぶっつけ本番が悪いよね。これ、数日前に集まって練習出来たらいいのにね」って言ったので、みんなでそうだそうだと盛り上がった。

やっぱり当日現地に行って、選挙カーの中でセリフを覚えて喋るってなかなか難しい。

練習があったらいいと言う話になった。

が、それから24年…私は2度とうぐいす嬢として呼ばれることはなかった…。


余談ですが、この時のうぐいす嬢さんの中に、ちょうど私の弟が就職した先の先輩さんがいて、そのことを知ってめちゃくちゃびっくりしました。

その先輩さんがいうには、弟は、率先して湯呑茶碗を洗ってくれるいい子とのこと。
「自分、姉たちにこき使われていたんで、慣れてますので」と言っていたと言う。

こき使ってはいたけど、弟に茶碗洗いはさせたことがなかったし、見たこともなかったんだけど、弟なりの気遣いだったんだね。
それに気づかず
「いやいや、やってませんでしたよ❗️」とつい言ってしまった私…。
後で反省…💧

だけど、冷静になって考えたら「慣れてますので」って、言えるくらい大人になったんだ…と、弟の成長が見れて驚きと嬉しさがあった。


あれ?なんの話でしたっけ?

あ、うぐいす嬢。

ホント、ヘタレなダメダメうぐいす嬢でした😅

パーティの司会は飲んでたからね。
うぐいす嬢やる時も飲んでたら良かったかしら?

いや、もっとダメだろ。


つぶあんさんのうぐいす嬢のお話、後編を楽しみししながら、私のお話を終わりたいと思います。

つぶあんさん、文子さん、大したオチのない話ですみませんでした〜😆

けど、思い出話を書くキッカケをくださりありがとうございます❣️

最後までお読みいただきありがとうございます😊

しあわせをありがとうございます💖

うぐいすになれなくたってカラスでも雀でもいいじゃない😆

うちなる平和を…💕
シュカポン🐼

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