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百花(川村元気・文藝春秋)を読んで

甘く切なく愛おしい、そして、ほろ苦い母との思い出が「百花」というタイトルに込められている。母・百合子は年老いて認知症になってしまう。誰もが通り道ではあるが、どこか愛らしさを感じてしまう。認知症になっても、息子・泉の事を思う気持ちだけは残っている。生まれてくる赤ちゃんと年老いていく母との対比が、どちらもかけがえのないもののように感じさせる。読んでて心が洗われる感じでした。

「失っていくということが、大人になることなのかもしない」

要らない物が増えていく中で、確実に大切なものが失われていくというとこが、大人になるということか。

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