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生産国のはなし

おもむろに再開した #柑橘ワインクイズ

その解説です。

ワインの生産国ランキング(2017)

1位…イタリア
2位…フランス
3位…スペイン
4位…アメリカ
5位…オーストラリア
6位…中国
7位…アルゼンチン
8位…南アフリカ
9位…チリ
10位…ドイツ

トップ4がBig4

1位はイタリア。2位がフランスです。
この2つの国はだいたいいつも首位の座を競ってます。2014位はフランスが1位。たまに3位スペインが伸びて2位に入ったり。
日本でもイタリアワイン、フランスワインといえばザ・ワインなイメージ。

イタリアで有名どころではキャンティ・クラシコとかバローロ、バルバレスコ、あとは甘口赤ワインのランブルスコなど。
イタリアは20全ての州でワインを作っている。北部はアルプスのふもと、南部は地中海に面した温暖な地域、さらにシチリア島でも。なので、どこで飲んだか、どこのを飲んだかで結構印象が違う。

フランスはボルドー、ブルゴーニュ、シャンパンなど、地名だけでワインを思い浮かべる国。ボジョレーもフランス。
イタリアはカジュアルな価格のワインが多い(フランスも山ほどあるが)一方で、フランスはブランド名で価格が決まってるかのような超高級ワインがかなーりあるので、輸出金額ベースではおそらく今も世界一。

3位のスペインは基本的に3位で安定。
フレシネなどのCava(スパークリングワイン)やコスパの良いワインのイメージ。特徴としては濃い赤が有名で、肉料理に合う。また大西洋沿岸部で作られる白は魚介に良く合う。日本に輸入されるよりもヨーロッパでの消費が多いかも。

ここまでの3ヶ国はカトリックでラテンの国
教会の儀式にワインが必要だったため、中世以降領内でワインが作られ、教会におさめられた。こうした国においてワインは産業であり文化でもある。だから、産業的に下降線を下っているという側面はあるものの、いまだに圧倒的な生産量、国内消費量、そして輸出量を誇る。

4位のアメリカ。カルトワインという熱狂的なファンがつく高級ワインのイメージ。
ナパバレーやソノマなど、カリフォルニアが有名だけど、オレゴン州やワシントン州など西海岸北部でも結構高品質なワインが作られてる。意外なところでは東海岸のNY州も生産が盛ん。えげつなく高いカルトワインと呼ばれるワイン(元巨人の某選手が好きだったオーパスワンなど)はカリフォルニア州産のものがほとんど。
味わいはなかなかに多種多様で、一言で言えないのが怖いところ。カリフォルニアではカルメネールっていう私が苦手で仕方がないBBQに合う赤ワイン品種が有名。

5位はオーストラリア。シラーズがうまい国、と言っては乱暴か。シラーズアはオージービーフに合う、果実味がたっぷりで苦味はそんなに無い品種。渋味は作り手次第かなあ。白はシャルドネが美味しい。結構安くて美味いのでファンがいる。土地が広いので大きなワイナリーも多い。それが生産量5位のキモか。

6位は中国。茶の国じゃないのか、というのが印象。
侮れないんだよ中国。最近国土に物言わせてなんでも作ってんだ。笑 正直言って飲んだこと無い。

7位はアルゼンチン。牛肉を食う国。
牛肉大好きな国らしく、マルベックという肉にめっちゃ合うフルボディの赤と、魚介に合うコクとトロンテスという風味のある白が有名。ここも安くて美味い。アンデスの高地で育てるおかげで冷涼で虫がつかず、農薬を撒く必要が無いという畑もある。

8位は南アフリカ。ブブゼラの国。
広大な土地を持つワイナリーが多く、敷地内や隣接するワイナリー所有の地域がさながらサファリパークで、エコツーリズムをやるなどエコ意識が高いワイン生産国。ピノタージュというスパイシーだけど飲みやすい赤と、スパークリングワインがおすすめ。

9位はチリ。コンビニワインの申し子。
ここ数年の日本のワイン輸入量一位はチリでした。日本とチリはEPA(経済連携協定)を締結しているため、ワインに関税がかからない。しかも輸送技術の向上で暑い赤道を越えての輸送でも品質が劣化しない。生産コストが廉価、欧州の生産者が乗り出し、最新技術導入で品質とコスパ向上と良いことづくめだったためガンガン入ってました。日-EUのEPAでどうなるか注目。

10位はドイツ。すっきり白ワインの国。
スッキリフルーティーな白ワイン、トロッケンベーレンアウスレーゼという呪文のような名前の甘口ワインを誇る国。白い国と思いきや、シュペートブルグンダーというブドウで作る赤ワインも美味しい。専門店があったりするけど、隣国と比べると生産量、日本への輸入量ともに大きく水をあけられている。

2年以上の記事ですが…トロッケンベーレンアウスレーゼについてはブログで上の記事を書いています。

大航海時代に注目

注目したいのが、欧州以外の生産地。New World(新世界)のワインと呼ばれるこれらの国々、中国以外はヨーロッパの国の植民地だった歴史がある。大航海時代をきっかけに、白人の人口が比較的〜圧倒的に多い。
さらにそれらのうちアメリカ以外は南半球だ。大航海時代に欧州から移り住んだ人たちも、かつてヨーロッパで飲んでいたワインが飲みたい!でも昔は暑い暑い赤道を超えるとワインが劣化してしまい、ヨーロッパで積んではるばる持ってきても、南半球の港に着いた頃には不味い。そこで各国、欧州のワイン生産に適していた地域と似た気候風土の場所でブドウを育て、現地でワインを作るようになった。

そんなこんなで、わざわざ本場欧州に運ばれることもなく、現地の人々の地ワインとして飲まれていた新世界ワイン。近年は生産技術の向上で品質もぐーんと良くなり、また輸送技術が上がりリーファーという温度管理ができるコンテナで運べるようになった。さらに欧州に比べてもともと低コストで作っていたので費用は抑えめでいける。
チリやアルゼンチンではスペインやフランスの名生産者が進出し、その培った技術を導入して品質が向上。世界のテーブルワイン(毎日飲むお手頃価格ワイン)生産地として名を馳せているわけです。

中国はちょっとよくわからない。知ってるのは山東省がワイン生産が盛んだということだけ。バブル時代の日本のようにフランスの高級ワインがバンバン輸入されているのが昨今の中国。なのでワイン需要が増えていて、自国生産が進んだのではと推測できる。

というわけで、こんなかんじで、 #柑橘ワインクイズ の解説編でした。

もう少しワインの勉強を続けて、ワインクイズと解説編を充実出来たらいいなあと、漠然とした目標だったり。


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