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ある日突然、母が壊れた。

私の母は、20年ほど前に「統合失調症」と診断され、数年前までずっと精神科に通って薬を処方されていました。
しかし、その事実を私や兄妹が知ったのは私が社会人になってからでした。

「そういえばお母さんって毎日何の薬飲んでるの?」

「実は統合失調症っていう病気っていわれているんだ。その薬。」

初めてこの話を聞いた時、とても驚きました。
幼い頃なので記憶があいまいですが、母が暴れていたのを1度だけですが目撃したり、家にいる時間が長い時期があったのはそういう事だったのかと思いました。しかし、私が物心ついてからは普段は全く統合失調症の症状はなかったので不思議に思い、

「なんともないのにずっと薬飲み続けてるの?」

と聞いてみました。

「お医者さんからもだんだん弱い薬にしてもらっていて、そろそろ薬を卒業しようかと言われているところだよ」

と言っており、そうなんだ~とその時は深く考えずにいました。

ある日突然、母が壊れた。

その会話から1年後くらいのある夜に、母が私に向かって、眠れないから話を聞いてくれないかと言われました。
母は泣きながら
「私は宇宙でひとりぼっちなんだ。」
「私が踏み出さないと、みんなを救えない。」
このような内容の事をずっと言っていました。
私は何のことかわからないけど、とりあえず話を一通り否定せずに聞いていました。

すると、母は運転なんてできないのですがいきなり別の部屋にいた父に

「車のカギを貸して。○○(私の名前)が出かけるっていうから。」

と言いました。もちろん私は出かけるなんて言っていないし、明らかに母がおかしいというのはわかりました。
その後も部屋のドアを開けたり閉めたりを繰り返したり、意味の分からないことをずっと言っていて、父は20年前のことを思い出したように、

「はじまった。」

と言いました。

母と心療内科へ

寝て起きたらいつもの母に戻っているのでは、と思いましたが、次の日の朝も、母はおかしいままでした。
今までに聞いたことないような奇声をあげ、ベランダを開けて大声で
「愛してるーーーーー!!」などと叫んでました。(その時はかなり恐怖でしたが文章にすると面白いですね。)
妹が用意した朝ごはんも手で思いっきり払って机をたたいたり、支離滅裂なことを言っていました。

私はその日は会社を休み、父と一緒に母を昔からお世話になっている心療内科に連れて行きました。
その道中の車内は地獄で、母はずっと子供のようにわめき泣きながら、
「○○さんは嫌い!!」
「愛してるーー!!」
「○○は何処に行ったの?」
などずっと叫びながら泣いていました。

途中トイレに行くというのでコンビニに一緒に入った時も、車を降りてダッシュして、なかなかトイレから出てこないと思ったらまたダッシュしてコンビニを出ると、「愛してる―――――!!」と駐車場で叫んでいました。(そこにいた人はみんなこっちを見ていました。。。そりゃそうだ。)

私と父は、とにかく母を抑えるのに必死でした。

心療内科についてからも、トイレから長時間出てこなかったり、待合室で叫んだり、お医者さんの前でもずっと支離滅裂なことを言っていました。

お医者さんは、母に「よく頑張りましたね、辛かったですね」と言い、薬を処方しました。

帰宅後、整体(霊媒師?)の先生が到着

ここからは「信じる信じないはあなた次第」といった内容で、そんなこともあるんだという感じで読んでいただければと思います。

病院から帰宅すると、いつもは長野県で不思議な整体というかお祓いをメインにやっている先生が、たまたま東京に来ているというので、父が来てくれないかと声を掛けました。
その先生は、いろいろなご縁があり出会ったのですが、新興宗教の教祖とかそういう怪しいものではなく、氣で人の不調を改善したり、ついている霊を払ってくれたりしてくれる先生だそうです。料金はお布施のような感じだそうで、タダでもやってくれます。

私は当時、会ったこともなく、そういうものも全く信じていなかったので、父は何をやっているんだ、早く病院に預けた方がいいのではないかなど考えていました。

先生が家に着くと、母にずっと氣をおくったり、何かをブツブツと言っていました。
私はこの人やばいんじゃないか・・・と思っていました。
先生は70歳くらいのおじいさんでとてもおっとりしていて、
「大丈夫だよ。お母さん病気じゃないから。病気だったらもっと大変だよ。」
私は、それでも早く病院の薬を飲ませたいんだと話しました。
「薬も飲ませてもいいよ。大丈夫だからね。」
と言っていて、私自身少しホッとし、悪い人ではなさそうだと思いました。

寝ている母親のふくらはぎが何故か膨れ上がっているのに気が付きました。
すると先生が、「ここ見ててね」といって氣をおくると、その膨れ上がったしこりのようなものが無くなっていきました。。。
あまりの出来事にびっくりして、言葉が出ませんでした。

1時間ほど施術している間も、明らかにいつもの母の声ではない声で何かにとりつかれているような事を言ったりしていました。
先生が帰ってからもしばらくは支離滅裂なことを言っていましたが、その後母はぐっすりと眠りにつきました。

母が壊れた日から3日後

先生が帰った次の日は、母は一日中寝ていました。
そして、その翌日は、意思疎通ができるまで回復していました。

母はいまいち記憶が無いらしく、とにかくずっと謝っていました。

しかし、幻聴や幻覚の事は覚えていて、こんなことが聞こえてこんな事が見えたといろいろと話してくれました。

その後も1度だけ意思疎通が難しくなる出来事がありましたが、何とかすぐ収まりました。
母の意思で薬はやめたいとの事だったので、とても悩みましたが薬は最終手段として持っておいて、母の意思を尊重し、その後4年ほど経った今でも薬を飲むことはなく、病院へも行かず普通の生活をおくれています。

父は母の件は相当なトラウマのようで、思い出すだけでゾッとするといっていますが、母の事を一番に考え行動し、今の母があるのは父のおかげだと思います。

スピリチュアルは全否定しなくてもいい

母が統合失調症と診断された原因は様々なストレスなどの原因もあるようなのですが、もともと見えたり聞こえたりする体質だったらしく、それも原因の一つかもしれないと思っています。

スピリチュアルという言葉は、誤解を招くこともあるのであまり好きではないのですが、そういう見えたり聞こえたりする人は、病気でもないのに大半の人が病院に行けば「統合失調症」と診断されるというのを、母と同じような経験をし、現在はスピリチュアルな仕事をされている方が言っていました。(ちなみに私たちは運よく悪意のない先生方と出会ったので、高額請求や宗教の勧誘などは全くなく洗脳や先生に依存もしていないのでご安心ください・・・)

私は母の件があるまでは、全くスピリチュアルに興味もないし、疑いの目すら持っていたのですが、スピリチュアル的に考えた方が納得のいく出来事が起こりすぎて、今では信じる方が合理的だと感じます。

でもこの事を同世代の友人に、勇気をもって打ち明けると、頭大丈夫か?という目で見られます。わかります。どの友人も、口をそろえてお医者さんの言うことを聞いた方がいいといいます。

しかし、年齢層の高い方に話すと、そういうこともあるかもしれないよね。と自分の思い当たる経験などをお話ししてくれます。人生は長く生きれば生きるほど、理論や常識では説明できない問題に直面するのかなと思います。

理論や常識では説明できないことを、無理に頭で考えようとすると、苦しい方へ向かうこともあるかもしれないと感じます。
母の件も、病院へ入れてしまう判断もできたかもしれませんが、そうしていたら今の母は存在していたのだろうかと考えてしまいます。

今でも聞こえたり見えたりすることはあるようなのですが、同じような経験をしている友人と話したり、気にしないという方法をとっているようです。

普通の人が見えないものが見えたり聞こえたりするのを活かし仕事にしている人にも出会い、こういう生き方もあるんだと思い、母にはカウンセラーになったらどう?と提案しています。

母の件から学んだこと

この世には言葉で説明できない事が沢山あるんだ。という事を身をもって感じました。また、今まで出会った現代医療以外の療法家の人たちもみな口をそろえて、お母さんは病気ではないよ。と言うので、今はそうなのかなと考えています。(本当に病気だと感じる場合や手に負えない場合は病院へ行った方がよいと思います。)

世の中の常識や普通や理論で物事を捉えるだけでなく、別の視点から考える事も、この世界で生きていくうえで大切なのではないかと感じます。

昔は日本には多くのイタコや霊媒師などが存在していたといいます。
私はそれを知って、現代の日本にも本当はそういう力を持った人たちが、「普通」という枠に収まらず、生きづらさを感じていたり、病人とされてしまっている事もあるかもしれないと思います。

昔の人々が大切にしていた精神というのはもう現代にはほとんど無くなっていますが、精神を病む人が多いのは、それを忘れてしまったからなのかもしれないと感じました。

私は少しずつそういった精神を学び活かして自分自身を生きていきたいです。そういう人が増えれば、もっと世の中が軽くなり、生きやすくなるかもしれないと思っています。

ちなみに母の面白不思議エピソードは沢山あるので、それもいつか書いていけたらなと思います。

ここまで読んでいただいた方に感謝します。
同じようなご経験をされた方がいましたらコメントくださると嬉しいです。


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