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我が家の文鳥ナデナデMAP

 今月は飼っている文鳥の誕生月だ。買ったときに誕生日まではわからなかったから、私が勝手に3月15日に決めた。無論、サイコーの日という意味である。
 彼を飼いはじめてもうすぐ9ヶ月が経とうとしている。依然、求愛ダンスの対象は鏡のままだが、私とも結構仲良くなってきた。手乗り&1人餌状態で迎えたから人間への信頼は最低限度保証されていたけれど、肩に乗ったり手に乗ったり、こうしてnoteを書いていると飛んできて人差し指の上で邪魔しつつ、お互い楽しく暮らしている。
 そんな日々を過ごす中で、「へえ〜」と意外に思うものがあった。
 それが、触ってもいい場所だった。
 文鳥は信じられないほど喧嘩っ早い。こんなに小さい体をしている割には沸点が恐ろしく低いので、なでていてちょっと手が滑るとすぐにキャルルルとキレられる。さっきまで気持ちよさそうにしてたやん……文鳥のOKラインはかなりシビアに設定されている。
 ただ、人間視点だと「そこはいいのにここはダメなの!?」と思うことも多かった。特に私は犬を飼っているので、犬といえばなでる場所はお腹である、という認識でお腹を触ってみるとものすごく怒られて驚いた。そして意外と、嘴は全然OKなのである。後目の周りも。どういう基準?わからん。
 そんなわけで、いろんなところを触ってキレられつつ、我が家の文鳥ナデナデMAPを作成してみた。作っている途中、何度かお怒りを被ったが、怒っててもかわいいのでノーカウント。

正面(かわいい)
背面(かわいい)


  見てみると、犬とは全然違うなあ〜と改めて思う。個人的には嘴がOKだったことがもっとも衝撃的だった。後は、頭頂部が嫌なことも。
 我が家の文鳥は桜文鳥だから、頭と胴の付け根がわかりやすい。その付け根も文鳥的にはアリらしい。これは犬と一緒だな。でも人間が首を触られると、あんまりいい気分はしないので、そんなに気持ちいいもんなの?と毎回思いながら、目を細めてふくふくする文鳥を見ている。
 あと、翼と胴の付け根が意外とアリらしい。ここも爪先で掘り返すように掻くと幸せそうな顔をしている。尾の付け根も一応OKゾーンがあるが、判定が厳しすぎるのでかなり集中しないとメチャクチャ怒られる。
 耳の側も気持ちいいらしいけど、時々「オエエエ」となった後「ビャルルルルル」とマジギレして突いてくるから、こっちも玄人向けらしい。私はまだ加減がわからなくて、文鳥先輩から厳し目のご指導が入ることが多い。
 
 人も犬も鳥も、触られると心地よい場所は違うんだなあ、という至極当たり前のことに気づくことができたのは実際に飼い始めてからだ。人間以外と暮らしていると毎日何かしらの発見があってとても楽しい。

 私が動物を信頼しているのは、彼らは彼らが不愉快になった瞬間、きちんと怒るか逃げるかして意思を伝えてくれるからだ。人間は、良くも悪くもそうじゃない。その場で笑って済ませて、後から言って、余計にトラブルになる話は世界中に後を絶たない。ただ、動物はそんなことをしないから、何となく、深読みをしたり、空気を察知する必要がない。それがどれほど互いにとって楽なことか。
 後、動物は怒りを引き摺ることは滅多にない。凄まじい喧嘩の後、互いに怒っているなあと思っていたら、しれっとくっついて寝ていたりする。その場で発散するから、後でモヤモヤしたりしないんだと思う。この、喧嘩も普通にするけど、後にモヤモヤがない関係性というのが、ある意味で一番安定している関係なのかもしれない。

 文鳥ナデナデMAPを作っているときは何度も怒られたけど、彼はさっきからずっと右手の上でnoteを書く邪魔をしている。
 あれだけ怒っていても私から離れていかないのは、深読みするまでもなく、私のことが好きだからだ。人間が「本当に?」と疑う必要のない「好き」を与えられるのは、この世の動物たちだけかもしれない。

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