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門司港史を掘り起こす(FM KITAQインタビュー)1

FM KITAQ
小倉魚町インクスポットビル 3Fスタジオ
2022年5月21日(土曜)17:00~18:00

《出演》
地域コーディネーター:是松和幸
MC:野津亮祐
AC(アシスタント):大岩夏美(北九州市立大学生)
ゲスト:堀雅昭(歴史ノンフィクション作家・UBE出版代表)

《イントロ》


 MC
FM KITAQ 午後5時からの60分間は、「これからの時代にこの人あり」。

いつものオープニングテーマ曲、地元・北九州出身のシンガーソングライター池端克章さんのFire birdに乗せて生放送のスタートです。

北九州を盛り上げている方の曲と共に番組をスタートいたします。
今回お呼びしているゲストもこれからの北九州を盛り上げるために活動をされている方です。

活動だけでなく、人柄もとても魅力的な方なので、このあとのご紹介をお楽しみに!

この番組はゲストの方の人生の転機について詳しくお伺いしつつ、リスナーひとりひとりに元気をお届けする番組です。

今月のお相手は、3か月続けてですね…。ちょっと今月は5月の稲花粉でじゃっかん鼻声かもしれません、野津がMCとしてお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

そして、本日はですね、アシスタントの方が来てくださっているので、ちょっとご紹介したいと思います。大岩さん、自己紹介お願いいたします。

AC
はい、ありがとうございます。本日、アシスタントとしてこの番組に入らせていただきました北九州市立大学に通っております大岩夏美と申します。宜しくお願いします。

MC
宜しくお願いします。どうですか、今日の意気込みを何かお願い致します。

AC
そうですね。ゲストさんがいらっしゃっているということで、たくさんお話を聞きながら、自分の成長につなげていけたら良いかなと思っております。宜しくお願いします。

MC
ありがとうございます。
じゃあ、今日は一時間宜しくお願い致します。

それでは本日のゲストを紹介したいと思います。山口県から来られております、UBE出版代表で、歴史ノンフィクション作家として活動しておられます堀雅昭さんです。宜しくお願い致します。


宜しくお願いします。

《九州に関係する堀雅昭の作品》

MC
今日は作家の活動についていろいろお伺いしたいと思っております。
さっそくなんですけど、堀さんの紹介の方をさせていただきます。

堀さんはこれまで、『戦争歌(いくさうた)が映す近代』(葦書房)をはじめ、福岡の弦書房から『杉山茂丸伝』、『関門の近代』、『寺内正毅と近代陸軍』など、九州・山口を中心とした歴史ノンフィクションを出版されておられます。

最初の『戦争歌(いくさうた)が映す近代』が、2001年の発行なので、もう20年以上ですね、作家活動をされておられるということになります。この中でも結構、人物評伝などが多くてですね、もう15冊以上を書かれたとお聞きしているんですけど、ずいぶん精力的に活動されているようですね。

堀 
ええ、ありがとうございます。
おかげさまで、ですね、15冊以上の著作になっちゃったですけど、あの、九州・山口っていうのは、結構その各材料が多いというか、非常になにか書くべき事柄が多いというか、土地としては魅力的な場所なんですよ。

で、次々とテーマが沸きおこってくるということで、そういう形になったわけですけど、近代史は、書くべき事柄がとても多いと思っています。

つぎつぎとテーマが沸き起こります。今、ご紹介いただいた中でも、九州を取材したものとしては『杉山茂丸伝』とか、『関門の近代』などがございますので、まあ、北九州の人でもご覧になった方がいらっしゃるんじゃないかと思います。

MC
ありがとうございます。
そうですね、今ご紹介いただいた杉山茂丸という人物になると、今回のラジオをさせていただくにあたって、私もちょっと歴史に疎いところがあってですね、勉強をいろいろさせていただいたんですけど、初めて聞く名前なのかなと思ったんです。

えー、このあたり、私より若い世代になる大岩さんは、いかがですか。

AC
はい、私も初めてお名前をお聞きしたんですけど、九州出身の作家の夢野久作のお父さんと言う話を聞いたことがあるくらいでして…。

夢野久作の方なら、小説を読んだことがありまして、『ドグラ・マグラ』ですね、ただ、それ以外はちょっとわからないって感じですね。


『ドグラ・マグラ』は宇多田ヒカルさんがファンだって言ってましたけど、それを書いた人のお父さんが杉山茂丸っていう人なんですけど、この人がね、いわゆる政財界の黒幕っていうかね、非常にキャラクター的には面白い人なんですよ。

でまあ、その本(『杉山茂丸伝』)を書いたのが、九州ではわりと初めの時期に書いた本で、なんというのかなあ、福岡の黒田藩士の残党という、そういう人になるんですけど…。

頭山満さんだとか、福岡では大変有名な土着の人たちがいたんですけど、その頭山さんとは非常に仲が良いのが、杉山茂丸っていう人なんですね。

で、私、山口県なんですけど、長州の伊藤博文、それから山県有朋、桂太郎、寺内正毅あたりですね、総理大臣をやった人のバックにいたのが、この杉山茂丸っていう人になるんですよ。

で、何かあるごとに、この人が顔を出すという、非常に謎めいていて、キャラ的にも面白いと。

で、例えば北九州でいえば、門司港という…、まあ、今日のテーマも門司港になるんですけど、門司港の築港っていうのが、明治の20年代の頭あたりから始まるんですね。で、これのきっかけを作ったのも、頭山満と杉山茂丸なんですよ。

えーと、明治の18年くらいでしたかね、東京の田中屋という安宿で、この2 人が…、この2人はもともと自由民権運動なんかやっていて、どっちかというと政府と対立するような活動をしていたんですよ。

ですが、もうそんなことよりも郷土を発展させないといけないなということでですね。
そこでどうやろうかということで、結局は門司港を国際貿易港のような形にしてね、九州鉄道をそこまでつなげて、筑豊の石炭を運んできて、そこから輸出して外貨を稼ぐというような、そういう港にしようということで、できていった場所なんですよ。

そしてもちろん彼らは在野ですので、実際に政治的な動きをするためにはですね、伊藤博文の懐刀であった安場保和という福岡出身の人を呼んできて、初代の県令ですね。

今でいう福岡県知事に据えて、それから門司港の築港を始めているという、そういうことになるわけですね。

で、いま、大岩さんも本を持っておられるんですけど、『杉山茂丸伝』。これはもう売り切れちゃっているんですけど、英字書評なんかも出ましたんで、外国でも実は売れまして、そういう意味では反響を呼んだ本になったように思います。図書館では読めると思いますけどね。

MC
ありがとうございます。すごいスケールの大きな話で、この『杉山茂丸伝』を読むことで、今のお話がもっと詳しくわかるということなんですね。

今なかなか手に入り難いということでしたんで、もしかしたら図書館で読むことができるかもということでしたので、図書館に行く機会がありましたら、探してみてもいいのかなって思います。(つづく)

《キーワード》
頭山満、杉山茂丸、玄洋社、夢野久作、宇多田ヒカル、井上陽水、久野勘助、出光佐三、中野慎吾、弦書房、UBE出版、松浦孝、北九州予備校、魚町、大政翼賛会興亜総本部、門司商工会議所、久野パン、キングパン。



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