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気取らなくて良いプラハ

「住めば都」
この言葉を考えた人には絶対叶わない。

プラハを訪ねたばかりの新参者が、airbnbのアパートメントを拠点にして3日足らずにも関わらず、既にプラハを離れ難くなっている。

その理由を言語化するのは、実は結構難しい。

歩き煙草がデフォルトだし、英語は通じないし、観光施設の案内も不親切だし、パリやロンドンのような洗練さもないし、ブルージュの息を呑むような中世へのタイムスリップ感もないし、バルセロナのような陽気さもない。スーパーマーケットの店員さんの愛想のなさは、なかなかのものだ。(オオゼキの店員さんを見習ってほしい ※人によるけど)

貧乏旅行者に物価の安さは有難いけれど、それ以外に特筆すべきものは見当たらないのが正直なところ。チェコ語で溢れているプラハを僕はすぐに飽きると思ったんだけど、これがどうして全然飽きない。

その理由は、タイトルにも書いた「気取らない」でいられることにあると僕は結論づける。普段着のまま外出して中欧の雰囲気を楽しめるのは、プライスレスな価値であると。

例えばパリの街を歩くとき。何となくオシャレなパリっ子に気後れしたり、レストランでフランス語でまくし立てられないかドキドキしたり、そんな劣等感を覚える瞬間が何度かある。(僕だけかもしれないが)

そんなはプラハにはなくて。
「俺もお前も独自のマイノリティな言語を使ってるんだよな。なかなか通じなくて肩身狭い思いするけど、とりあえず仲良くやっていこうや」という暗黙の了解があり、またそもそも観光客に対する関心が薄いので、コミュニケーションが通じなくても「まあ、いいやな」という感じになる。

僕がプラハで好きなのは、どんな時間でもプラハの人々がビールを飲んでいることだ。酒場のテラス席はもちろん、動物園のカフェテラスやプラハ城内の集会スペースに至るまで、「ビールを飲む」ための場所が確立されている。
さすがビール消費量が世界一であると思う。加えて何とも平和な日々を過ごしている / 過ごそうとしているという矜恃も併せて感じる。昨夜は市内のレストランで夕食をとり、明らかにカロリーが高そうな「豚腿のスネ肉」に舌鼓を打った。ビールと相性抜群で、無限にビールが飲めそうなほどだ。この街はビールを中心に、色んな物事が設計されているのかもしれない

もちろんプラハの魅力はそれに止まらない。
早朝プラハの澄んだ空気の中で街を駆け、殆ど誰もいないプラハ城を目指すのはお薦めだ。そこからプラハの街並みを見下ろすことの贅沢さを、多くの人に味わってほしい。薄紅色の瓦の建物が、ヴルタヴァ川(モルダウ川)を螺旋状に広がる情景は中世そのもの。グラス一杯のビールがなくても、十分プラハの魅力に酔えるだろう。

気取らなくて良いプラハ。
いつか訪ねてみてはいかがでしょうか。airbnbにて最低3泊の滞在をお薦めします。

ちなみに唯一ドキドキした瞬間があったことも紹介しておきます。
食事後にクレジットカードが使えないことが判明し、手持ちの現金が足りるかどうか本気で焦ったのだ。
「クレジットカードが使えて当然」という認識は改め、必ず最初に「カードが使えるか?」を確認した方が良いですね。必ずしも近くに両替できるところがあるとは限らないから。


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