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出川哲朗を追い掛ける神回

徳力基彦さんが記した出川哲朗さんの「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」。

自らを芸人でなく、リアクション芸人と定義するところから、番組のトーンが決まっていたように思います。まさに「重要な記録」であり、多くの人にとって「自分の役割」を見直す契機になるような素晴らしい回でした。

僕、芸人ではないですね、実は。やっぱ芸人さんって本来は、舞台に立って、漫才やコントをやって客前で舞台に立っている人が、やっぱ芸人さんだと思うんですよね。コントとか、その漫才とかもやってないので、だから芸人さんとは本当は言えないですよ。もう本当に逃げなのかもしれないけど、リアクション芸人。「出川哲朗とは何だ?」と言われると、「リアクション芸人です」としか言えないですね。

(NHK「プロフェッショナルの流儀|出川哲朗という道 〜リアクション芸人・出川哲朗〜」より引用、太字は私)

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以前ツイートしたのですが、テレビ番組視聴アプリ「TVer」が企画した配信番組「神回だけ見せます!」。

その初回放送で、出川さんが出演した2019年11月放送の「アナザースカイ」が紹介されました。これがまた素晴らしかった。

行き先はクロアチア。最初はのんびりと旅ロケしているような感じなのですが、だんだんと真相が明らかになってくる。

というのもクロアチアは、出川さんの「原点」。25年前、駆け出しの若手芸人だった頃、「電波少年」で訪ねた場所だったのです。

当時このエリアは、ユーゴスラビア分裂によって、ボスニア紛争が行なわれていました。内戦により、10万人以上の兵士や市民が犠牲になったといいます。当時、危険地帯であるボスニアには入国できなかったため、国境付近でロケを敢行したそう。

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25年後。

その様子がすっかり変わっていることに、出川さんは感慨に浸ります。

出川さんは国境検問所に向かいます。クロアチアから、25年前は行けなかったボスニア・ヘルツェゴビナに入国を果たすのです。

検閲所を通過、橋を歩いて渡っていると、車の中から出川さんに手を振る人々が映し出されます。

誰一人、手を振る余裕なんてなかったですからね。それが今やみんな笑顔ですよ。こんな陽気なドライバー、一人もいなかったですよ、25年前。(中略)
本当に、街で笑っている人、一人も会わなかったですからね。笑顔は世界共通とかよく言いますけど、本当にそう思いますね

(TVer「神回だけ見せます!|#アナザースカイ(出川哲朗・クロアチア)」より引用、太字は私)

平和最高!」と叫ぶ出川さん。25年前を現地で見たからこそ、その言葉には説得力がありました。

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「神回だけ見せます!」のMCを務めるのは、伊集院光さんと佐久間宣行さん。

伊集院さんは芸人としての出川さんを語り、佐久間さんはテレビプロデューサーとして番組の構成に思いを馳せます。特に佐久間さんは「凝縮された22分」と絶賛しました。

・出川さんという芸人の歴史
・「電波少年」という番組の無謀さ
・番組のスタート地点が、笑顔のない国だった
・25年後、笑顔の素晴らしさに辿り着く

それを平和からでなく、出川哲朗という「笑い」から始めていくことに意義があったと佐久間さんは語っていました。いくつものレイヤーを、こんな風に収録できるんだという「驚き」は、ぜひ実際に視聴して体感してみてください。(全編、無料で視聴できます)

ちなみに出川さんが出演した「アナザースカイ」は、2019年度11月度のギャラクシー賞月間賞を獲得したとのこと。配信開始は2022年5月。「平和最高!」と、なかなか言いづらい時代になったからこそ、当時の映像はまた意味があるなと感じます。

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