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子どもには手加減でなく、「ハンデ+真剣勝負」を。

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」だったと思うが、サッカー元日本代表の本田圭佑さんの特集で憶えているシーンがある。

現役時代、日本に帰国すると本田さんは子ども向けのサッカー教室を開催する。そのときは怪我を抱えていたと思うが、子どもたちと一緒にグラウンドを駆け回り、共にプレーをしていた。

そこで印象的だったのが、本田さんは全く手を抜かずにプレーしていたこと。案の定、本田さんのプレーに子どもたち(幼稚園児とか、小学校低学年の児童とかだった気がする)は全く歯が立たない。何人もの子どもたちがごぼう抜きされ、あげく豪快なシュートを叩き込まれていた。

本田さんは手加減しなかったことについて「手加減しない方が、子どものためになる。悔しいという気持ちを持って練習に励む」といった趣旨のコメントをしていた。

それを聞いたとき、「いや、いくら本田さんが特別な存在だったとしても、それは極端すぎる考えだろう」と感じた。憤ってさえいたと思う。

だけど、今日5歳の長男とオセロをプレーしていて、本田さんの考え方に正しい部分もあると実感した。

これまで長男は妻と一緒にオセロ(のようなミニゲーム)に興じていたが、だいたい妻が手加減をして、長男に勝たせるということが多かった。その様子を遠目からみて、「まあ、それで機嫌が良くなるのなら」と思っていたけれど、いざ僕がオセロを打つことになって、はたと立ち止まることになる。

僕は、このゲームを手加減するのだろうか。

僕はどちらかといえばオセロが得意だったし、当然5歳の長男とは実力差がある。長男の真剣な眼差しを見て、手加減するのは倫理にもとる行為ではないだろうか。そういえば僕は、幼少期に祖父と将棋をさすことが楽しみだった。祖父はいつも飛車角落ちの「ハンデ」で臨んでくれていたけれど、全く勝つことができなかった。祖父の口ずさむ「軍艦マーチ」、祖父の棋力と重なり、非常に高い壁だった。

実際、祖父と将棋をさして、勝ったのは数回しかなかった。だいたいが「まぐれ」で再現性がなく、連続して勝ったことは一度もない。次第に将棋から僕が遠ざかってしまったので、結局、将棋の実力には今も自信がない。

でも、小学生のとき、何度も何度も挑んだ経験は、たぶん何かしら僕の知力なり体力なり、良い影響を与えていたのではないだろうか。

調べてみると、オセロは「ハンデ」として、盤上の四隅に相手の石を置くというのがあるそうだ。息子はハンデを嫌がったが、「まずはお父さんに『ハンデあり』の状態で勝ってごらん、たぶん勝てないと思うよ」と告げて、戦うことにした。

さすがに四隅に相手の石があると、こちらも真剣勝負にならざるを得ない。初回は引き分け、だが親としての面目を保った形になった。再戦を繰り返し、現在は「四隅のうち3つの石を置くハンデで、息子が35-29で勝利」というステータスになっている。

親も真剣にオセロに向き合うから、息子も真剣になる。

特に、最近戦ったときの終盤の打ち手は、目を見張るようなオフェンスだった。その試合は僕はてっきり勝てるものだと思っていたのに、上述の通り、完敗という結果になってしまった。(めちゃ悔しい)

子どもには手加減でなく、「ハンデ+真剣勝負」を。

ハンデを上手く与えられないときでも、真剣勝負で挑めるような環境をつくること。オセロを通じて、どんどん賢くなっていく息子に嬉しくなりつつ、親としての面目を保てるよう、僕自身もオセロの腕を磨いていきたい。

大会とかも出たいなー。

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