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ひきこもりはマスメディアから離れることで回復が早まると思う

今日、人類全体がインターネットで繋がった。

アヤシイ宗教家に思想家。
胡散臭い政治家や、サービス業者による客引きは
その発信源から距離を取るだけで簡単に回避できる。

しかし、今日ではそれらもネットワークを介して
日々とめどなく、直接私たちの手元、耳元にまで送り付けられてくる。

歴史的背景も知らない他国の問題や
社会の局所で起きる事件の是非が
まるで我々個々人の責任というような押し付けがましさで喧伝される。
それも、肝心の私たち自身の足元の瓦礫も片付かぬうちに。

最近では、冷静に見れば大して問題がないものを逐一取沙汰すことで
そこに引っ掛けられる人々の熱量を換金して美味い思いをしようと企む
"愉快犯的"な問題提起までが新たに加わって、もはやキリがない。

人々はこぞって解決すべき問題から遠ざかり、新登場の見世物に集る。
自分の家庭から煙が上がっていることにも気づかぬままに。
つまり真面目なのではなく、本質的には享楽主義に陥らされているのである。

アヤシイ宗教家に思想家。
胡散臭い政治家や、サービス業者による客引きは
今や「インフルエンサーによる問題提起」へと姿を変えて
我々の日常に満遍なく介入する。

人間一人の意識エネルギーは限られているので
あんまり他所に使いすぎると自分の問題を解決する分が足りなくなる。
しかも、それを直接の知人、友人を救うことに使うならまだしも
見ず知らずの業者から丸ごと収穫されるのだから虚しいばかりである。

一般人の脳なんてもはや
強制的に給餌され、肥大化させられる
ガチョウの肝臓(かの珍味フォアグラである)
と同様の扱いなのでないかと思えてくる。

ひきこもり当事者とマスメディア

私自身が長期間社会参加出来ておらず、また収入も無いひきこもり当事者である都合上か、これまでに他の多くのひきこもり達とネットを通して関わってきた。

そのひきこもりの間でも「ネット断ち(メディア断ち)」という試みは改善策として度々話題に上がる。一定期間インターネット含む電子端末上のメディア情報に触れないことで、精神状態が改善したり、精神病の症状が軽くなったという報告が多いのである。聞いてきた限りで一番人気なのは、「一週間」という期間だった。"帰ってきた"仲間たちは揃って思考が冴えわたるとか、集中力が戻ったとか、人によっては別人になったようだと改善を語ってくれる人が多い。また、私自身もその効果を実感した人間の一人でもある。

かつて私が寝て起きるだけで全ての気力を使い果たすような生活で、時折自殺をしようと外出するくらいしか行動パターンが無い絶望的な状態から立ち直ったきっかけの一つも、TVを見ないようにすること、そしてネット利用時にも諸マスメディアの情報を取り込まないよう意識することだった。そんなことが確かに精神状態を改善に繋がっていったのである。

HSPに位置する人々には特に共感いただけるかも知れないが、その手のメディアによる情報とは私たちが日ごろ意識しているよりも刺激が強く、発される音声には過度に(不自然な)感情が乗っていたり、ドロドロしていたり(感覚的だが)する。そしてそこで取り上げられる内容というものも、人間味がなくてちょっと壊れたくらいに享楽的だったり、反対に重苦しく悲観的だったりする。私は無意識の内にもそれらが負担になっていたことに、自分で断ってみてしばらくして改めて気が付いたものだった。それからはもう近づこうとは思わなくなった。まるでブラック企業のような特性だと思う。

こうした現象が起きる背景としては、やはり上の方で書いたように「自分の問題で部屋が散らかっているところに、外部の問題、責任までを認知的に追加してしまい、更にごちゃごちゃさせてしまう」ことがあるのではないかと推測している。しかも大量の情報を細切れで伝えなければならないマスメディアの特性上、不自然な感情の乱高下を知覚させてくるところも精神衛生上悪そうだ。

ひきこもり当事者にもそれが負担になっていることに気づいていない場合がある。色々と試してみたつもりが、この頃は心身の回復が頭打ちになっているというひきこもりの方が居れば、ネット断ち、または注意して諸マスメディアの情報を制限することを試してみて欲しい。「効果があった」という生の声を幾つも聞いてきている。

そもそもの話…

ひきこもり状態に陥るという時点で、何らかの過干渉や妨害によって個人としての人格形成が失敗しているか、精神的に、肉体的共に深刻な損傷を受けているということであり、そんな状態で感情を揺さぶったり焦燥感を掻き立てる方向性の大手メディア情報との相性が良い筈がない。

「うつ病の人間は肉体的にも免疫力が低下しており、感染症のきっかけとなる集団コミュニティから遠ざかるためにコミュニケーションに拒絶感を覚える、つまり防衛反応である」という学説も近年では出始めているが、実際その通りではないかと思っている。

何かが足りていないのでなくむしろ過剰であることが回復を阻害している場合もあるので、たとえ一般的な改善策で効果が出なかったとしても諦めずに、柔軟に試行錯誤をしながら立ち直っていって欲しい。私の発信は全般的に「心身の回復」をテーマとしているので、良かったら活用されて欲しい。

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