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ひきこもりがネットで友達を作る方法


はじめに

ひきこもり状態がある程度回復してきた頃からは、他者と関わらないことによる「孤独感」或いは「危機感」を覚えるようになってくる場合がほとんどです。それは正常に回復の段階が進んでいる証拠であり、喜ばしいことですし、将来の為にもその感覚には素直に従うべきだと思います。

しかし、孤絶状態で生きてきたひきこもりが他者と接点を持つことは難しいです。客として、店員とやり取りするのも怖いという場合も少なくありません。そこでひきこもり当事者の私としましては、まずはネットを使って他者と関わってみることをオススメしています。

「ひきこもりがネットで他者と関わる第一歩を踏み出す」には、意外と色々な方法があることかと存じます。今回の記事では、そんな中でも私自身が体験してきたものを、せっかくなのでちょっとしたコツや感想を添えて、幾つかご紹介してみようと思います。

menpal(メンパル)

心の悩みや生き辛さを抱えた人へ向けられたメル友募集サイトです。
前身となったのがMHTB(メンタルひきこもり友達募集)というサイトだった流れもあり、menpalとして生まれ変わった今でもひきこもりの方が一定数利用されています。

また、基本的には「メル友募集サイト」ではあるものの、メール以外にもLINE、Skype、Discord、カカオといったそれぞれのコミュニケーションソフトでの繋がりを募ることも可能で、そちらの募集も多く出されています。

初期から利用している1ユーザーの体感としては、真面目なタイプのひきこもりは絶対数が少ない印象で、あとは症状が重い人が多めなのか、ただ挨拶を交わし合っただけで連絡が途切れてしまう場合がほとんどです。出会い目的で利用しているユーザーも一定数居ます。

真面目なひきこもりほど難易度が高いサイトかも知れませんが、会員登録をせずともで気軽に募集、応募が出来るので、試してみる価値はあると思います。

DISBOARD(ディスボード)

ここ最近で一気に普及してきた「Discord」のサーバー参加者が募集されているサイトです。ちなみにサーバーとは、他ソフトでいうグループ、コミュニティと同様のものです。

トップページのタグ検索機能を使い、例えば「ひきこもり」「コミュ障」「無職」などのタグを辿ってゆくことで、ひきこもり属性のサーバーを見付けることが出来ます。

勿論、ひきこもり特化のサイトではありませんが、ひきこもり系サーバーの募集も意外と多く出されており、運が良ければ自分と気質の合うひきこもりコミュニティに所属でき、居場所を得られます。

時には管理者側の都合で突然サーバーが削除されてしまうこともあるので、気の合うひきこもりが見付かった場合、サーバールール上差し支えなければ積極的にフレンド登録を申し込んでみることをオススメします。お互いに「ひきこもりを仲間を求めて」「会話の練習相手を求めて」という前提部分の一致がある場合がほとんどなので、大抵の場合は快く受け入れて貰えると思います。

サーバーというシステム上、やはり多人数の空間になるので、数に圧されて及び腰になってしまうこともあると思います。その場合でも「一応はコミュニティに参加している」という所属感を満たすことが出来るので、ただ参加するだけでも心の健康にも寄与してくれることが期待されます。

X(Twitter)

X(Twitter)といえば、今や名の知れた大手SNSです。
「ひきこもりが友達を作る場所」という印象はほとんどの人には無いかも知れませんが、ひきこもりとして日々発信をしている人や、ひきこもりとしての居場所の無さからXを利用しているユーザーも一定数居ます。

「XのDM経由で仲良くなり、別のツールで会話するようになった」という知人の体験談を聞いたことがありますし、また私自身もXがきっかけで声を掛けていただいた事が数回あります。

コツとしては、やはり自身のプロフィールに「ひきこもり」と「友達募集」の旨を如何様にか書き示しておくことと、X上で仲良くなった際に他ツールへの移行を提案することでしょうか。

Xはコミュニケーションに於いてはかなり不足が目立つツールなので、しっかりとした関係を築きたい場合は他のソフトを利用した方が遥かに上手く行く確率が上がると思います。

ネットゲーム

「市民権を得るには一定以上強くなる必要があり、時間が掛かる」「コミュニケーション目当てのつもりが、ゲーム自体にのめり込んでしまう危険性がある」といった欠点もありますが、ネットゲームもまたひきこもりでも手を出しやすい他者とのコミュニケーション機会だと思います。

運が良ければ「他人と会話をする為に来ているユーザー」や「同じ目的でやってきたひきこもり」たちと出会えることもあります。また、ネットゲームでの会話は傾向的にノリの良い感じのテキスト発言が主となるので、あまり気負わずに「他者と関わる感覚」を思い出し易いものでもあります。

おわりに

以上、些細なものではありましたが「ひきこもりなので、他人と関われる場所が無い」と絶望している同志にとって、この記事が幾ばくかの激励となれれば幸いです。

「ネットでも現実でも、気が合う人がなかなか見つからない」
これまでに私は、健常な社会人の方でさえもそういう風に打ち明かしてくれるのを幾度となく聞いてきました。しかし我々の心に孤独感がある限りは、諦めずに合う相手を探し続けるべきだと私は思っています。

各人の胸中に灯る孤独感とはつまり、自分と同じような誰かが発する声なき呼び声の証なのではないか? そして、それを発する彼、或いは彼女を救えるのは、それが聞こえている各人だけなのではないか? 最近はそんな風にも感じられるのです。

孤独感が深ければ深いほど、他者と繋がることの価値を思い出せますし、何だか懐かしいくらいに気の合う相手と出会えた際の喜びも一入(ひとしお)です。なので、どうか諦めずに探し続けてみてください。


このサポートという機能を使い、所謂"投げ銭"が行えるようです。「あり得ないお金の使い方をしてみたい!」という物好きな方にオススメです(笑)