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「チップ制経済学」を本気で考える

「経済学」が大袈裟なら、「チップ制経営学」でもいいかもしれない。
けっこう本気で、「チップ制」が経営上重要なファクターだと考える。

日本の購買文化に「チップ制」は無いが、「心付け」などは、同じ要素と言えるかもしれない。
私のような個人でのソリューション業?においても、作業後に「それじゃ少ない!」と規定料金以上に支払いをしてくれるお客さんが、数パーセントではあるが存在する。
クラフト品の販売においても然りで、「対州馬のために役立ててください」と余計に購買してくれる人もおられる。

私が「チップ制」において重視するのは、「もらう側」よりも「渡す側」だ。
こんな経験はないだろうか?私が経験したことである。

『ある時、コンビニに入ると、レジをしてくれた人が、とっても初々しい、素晴らしい笑顔で対応してくれた!
いかにも仕事を始めたばっかりで、やる気に満ち溢れていた。
私はとっても気分がよくなり、願わくばその店員さんが、長くそのような感じでいて欲しいと思いながらコンビニを出た。
しかし、しばらく経ってからそのコンビニに行ってみると、その人の姿はなかった。
私は、やっぱりか!と、少し寂しく思った。 』

その時の、とってもモチベーションが高く笑顔に溢れていた店員さんは、業務量の多さの割りに安い賃金、ブラックな扱いのオーナー、横柄な態度の客の多さなどの理由により、笑顔も無くなり、そのコンビニを去ったのだろう。普通と言えば、普通の話だ。

たとえば、こういう場合に、「チップ制」があったとしたらどうだろう?
アプリのようなものでもいいし、「Welcome TIPS!」と書いた小さなポケットを付けていたらどうだろう?
名前の横には、「今、看護師めざしてがんばっています!^^」とかメッセージを付けると、私だったら俄然チップを渡したくなる。
チップを渡した後は、とっても気分よく店を後にできるだろう。
まさに店員にとっても、客にとってもwin-winで、つまりその雰囲気は経営者にとってもwinではないか。

更にそのやり取りを考えると、深いものがある。
店員は、チップをもらえるかどうかで、自分の接客態度が、客からどう感じられているかというフィードバックになるし、間違いなくモチベーションアップにつながる。もらえないことは、別に「普通」なのだから。

渡す客側の心理としては、「買い物」という活動をする時に、「他人に感謝する事を形で表す」ことで、やはりモチベーションが上がる。
また、そういう事をすることによって、「他人に感謝する事を探そう」という生活態度に繋がり、その人の毎日を幸せにすることに繋がると言っても、言い過ぎではない。

やがて、買い物やサービスといった関係で無くとも、「その日一日の中で関わる人、出会う人に気持ちよく接することを心掛けるようになる。
人の気持ちを高められる人は、社会において尊敬すべき人であり、財産や地位などに関係なく、「人生を楽しんでいる」人なのだ。


Daily Historical Pictures and Videos FBより
おそらく1940年代にアメリカで撮影された新聞売りの少年の写真。
彼の、この笑顔のサービスに、どのような価値を見出すのかは、人それぞれだろう。
もし彼がチップを受け取るならば、彼は手持ちの新聞の部数以上に多くのお金を手にすることができるし、何より買い手にも「つかの間の幸福な人生の時間」を提供することができるのだ。


 

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