フォトグラフの現実逃避

思い出って普通色あせるよね。
でもね、僕の撮った写真は永遠に色あせない。
それどころか、時が経てば経つほどに一層美しく映し出されるんだ。
写真に写ったばーさんは二年後どうなってると思う?
ぴちぴちの娘に変身しているんだ。
青白く頬のこけた病人はどうなっている?
そう、ふっくらと頬が元に戻ってすっかり普通の人と同じ顔色になっているよ。

僕は不思議な魔法をもっている。
ただの写真家ではない。
真実を映し出す写真なんか面白くも何ともない。
僕はシャッターを押す瞬間「無」なんだ。
撮影の対象物のそのままの姿や形ではなくて、より良い映像を自分なりにイメージしたらシャッターを押すんだ、そしてその瞬間は、もう一度言うけど「無」でなくてはならない。
そうしないと余計な雑念が邪魔をして、
イメージどおりに写すことが出来ないんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?