ロマンスの現実逃避9

君は、ぼくを愛してくれている。
それは、よくわかった。でも、
ぼくは君に無理をして愛を表してもらいたいとまでは思っていない。

もしも君が愛を忘れても
もしも君がぼくに何かよくないことを言ったとしても
ぼくは君が、君自身でいてくれさえすればそれでいい。
君が愛を与えることによって、自分自身を
欺くよりも、よっぽどいい。

✳︎✳︎

夢なら永遠にさめなくていいと思っていたんだ。君に出会うまでは。
ぼくは君に出会ってから、人を愛することの価値を知った。
そして愛されることの喜びを知ることができた。現実世界のことを、ぼくは誤解していたみたいだ。
こんなにも、素晴らしい日々があるなんてね。

それでもやっぱり、ぼくは時々夢を見ていたい。
ぼく自身も、
君さえも忘れて。
夢という、穏やかなプロテクターのなかで
ただひとり、浮かんでいたいんだ

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