富井の現実逃避

わしは79歳になっていた。
骨を整えることは容易ではないけれど、
やりがいがある。

富井整骨院は、明日からトミー整骨院になる。
従業員がほとんど外国人になってしまったんだ。
英語を覚える毎日。
英会話のスクールに通いながら、辞書を片手にメールを送る日々。
いつのまにか私は腰をいためていた。

自分の骨を整えるのが先だけど、わしには人を診る義務がある。
我が身を犠牲にして、他人の骨を整える。
そのなんともいえない喜びと苦痛をかみしめ、
今日もわしはトミー整骨院で診察をする。

ああ、トミー、このままわしは骨になってしまえばいいというのか

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