ファザコンの現実逃避14

おとうさんと美術館へいった
美術館に飾られている絵は、わたしにとっては退屈だった
でも、おとうさんはひとつひとつの絵の前で立ち止まって、それらをじっとみて、おお、と目を丸くして嬉しそうにしていた 
その姿をみていると、わたしはそのひとつひとつが、輝いて見えるように感じられた

わたしは近くにあるソファーに腰掛けながら、
楽しそうに鑑賞にひたる父の姿を目でずっと追っていた
ああ、とうさん 
どうか、絵の中へ消えたりなんかしないでね・・・・

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