ロマンスの現実逃避11
となりで、
さっきまでしゃべっていた
あなたの寝息が聞こえてくる。
もう寝たのね。
寝つきが悪いわたしを追い詰めるあなたの
寝息。
早く寝ないとダメだって小さい頃は
言われたけれど。
大人になったらもう
誰もいってくれないのよね。
だからいつだって私は夜更かしばかり。
仕方がないわ。
こんな時間だからもう誰にもなにも言われないんだし、
明日のことは考えず
わたしは今からひとり、豆からコーヒーを淹れて、
たったひとり真夜中のコーヒータイムを楽しむの。
わたしはあなたの寝息を聞きながら
ただひたすらカフェインというもうひとりの恋人に溺れるのです。
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