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月が綺麗な明け方をなぞって。

忙しい。

仮眠の為に、先輩数人の座布団やらブランケットを拝借する。

ヒルナンデスのプロデューサーも驚く、見事なランキングが広樹の仮眠布団として出来上がる。

広告デザインを生業とする広樹は、定時の17時から半日が経ったところに居た。

やらなくてはならないリストが
山積みになっていく。
手伝ってもらってる友人との連絡が、仕事の業務連絡中心になっていく。


やりたい事リストは付け加える事さえ出来ない。

それでも明け方の月は綺麗で、
生きている心地がして、悦に浸っていた。

朝日の力強さを感じたのは二十歳前後の始発を待つ渋谷以来だった。

また4、5年後に月と朝日のその間をなぞる時が来るのだろう。

広樹はいつの間にかランキング布団の上で眠りについていた。

始発で出社した先輩が朝ごはんを机に置いてくれていた。
先輩の座布団は足から腰に昇格させていただく事にしようと決めて、朝の挨拶を済ませる。

さて、今日が始まる。

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