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軽い読書生活 『恋できみが死なない理由』など

※2023年冬頃の読書記録です。
※十冊前後まとめて書いてます、一冊につき長くても三百字程度。
※気軽にお読みください。この記事を読んでくれたあなたが、面白い本と出逢えますように。
※他の記事はこちらにまとめています。


★最果タヒ『恋できみが死なない理由』2023年、河出書房新社
楽しみすぎて買ってからしばらく読みためていた……まず表紙のショートケーキが可愛く、タイトルが素晴らしい。『恋できみが死なない理由』。
内容は、別に恋心エッセイというわけではないので、「恋愛ものはちょっと」みたいな方にも読んでいただきたい。
河出書房のホームページで試し読みできますんで、ぜひ。目次も読めますんで、ぜひ。

☆日本SF作家クラブ『AIとSF』2023年、早川書房
定期的に早川書房のSFアンソロジーが読みたくなる。今回はAI。
意外というか「SF作家すごい!!」ってなったのは、AIに仏を絡める作品が複数あったところ。
今の時代に生きる多くの人が、AIと宗教を相反するモノとして見ている気がするが、百年後、二百年後の世界ではそうではなく、AIと宗教(神さま)は同じモノになるのかもしれない。

★最果タヒ『神様の友達の友達の友達はぼく』2021年、筑摩書房
エッセイが読みたくなって読んだ。やっぱりタイトルが最高。神様の友達ではなくて、友達の友達の友達だから、つまり他人では? 神様とぼくは他人同士なんだなぁ。

☆寺山修司『さみしいときは青青青青青青青 少年少女のための作品集』2023年、筑摩書房
青が好きなので、こんな風にタイトルで青を連打されると買ってしまう。
さみしいときは、青。空の青、海の青、サファイアやラピスラズリの青、みんな違ってみんな少しずつ淋しいので、私は青色が好き。

★高樹のぶ子『ほとほと 歳時記ものがたり』2022年、毎日新聞出版
たまたま立ち寄った書店で買った本。
歳時記にある言葉をタイトルにした、少し不思議な短編が並んでいる。その不思議さが冒険小説的な感じではなく、静かに、日常に染み入るような不思議さだった。歳時記を傍らに置きたくなるね。


2023ベストの本を挙げるぞ! といっても一つには絞れないので、とりあえず三つ挙げます。

一つ目、最果タヒ『不死身のつもりの流れ星』。詩集。
最果さんがPARCO展示されたときに、展示されていた詩たちがメイン。詩の展示って2019年だったらしい。

「詩の展示とは?」と思いながら、夜の渋谷PARCOに行き、「こんな展示が!!」と衝撃を受けながらPARCOを出て、ロフトに行った。スノードームやクリスマスカードがとにかくキラキラして、眩しくて、綺麗で大好きなんだ!

最後にスクランブル交差点のスタバで、あんまり好きじゃないのに、期間限定らしき抹茶のラテをなぜか飲んでいた。スクランブル交差点には、人がとてもとても多かった、世界中の人がいるような錯覚。

2019年の記憶をこんなにも鮮やかに蘇らせてくれたので、今年ベストに入れさせていただきます。


☆シオドア・スタージョン『夢みる宝石』2023年、筑摩書房
冒険小説という感じ! 楽しくて一気読み。中学生くらいの子でも、するする読めそう。
生きている水晶、の説明についてはSF的だな。はっきりと、ヒトとは違う生き物。だけど彼らも痛みはわかるのだ。

★フィリップ・K・ディック『人間狩り』任賀克雄 訳 1991年、筑摩書房
古本屋で見つけて購入した短編集。人間と、人間以外の知的生命の話が集まっている。ディックは結構好きな作家だ。
表題作の『人間狩り』だが、主人公わりとお間抜けではないか……極限状態だから仕方ないのか? 「これワザとだよね? わかってるんだよね?」と思いながら結末まで読んだら、ワザとじゃないしわかってもなかった。

☆水木しげる『なまけものになりたい』2003年、河出書房新社
映画の『ゲゲゲの謎』を見たので、職場の人に借りました……この本は水木しげるさんのエッセイ集、めちゃくちゃ面白いですよ! コミカルな文章で読みやすい!! 日本って永遠に物価高じゃん……などと思った。
こちら、在庫僅少本なので気になる方はお早めに。


★斜線堂有紀『本の背骨が最後に残る』2023年、光文社
凄まじい本を読んでしまった。
人が、本になる。本を焼く。本は、焼かれるためにあるのではないか。

私がこの物語(短編集)を読んで想起したもの。
脊椎がオパールになる、ブラッドベリ、山尾悠子、服部まゆみ、O嬢の物語、小野小町、千夜一夜物語、マンディアルグ、谷崎……きっと読むたびに増える気がする。それが恐ろしく、そして幸福。


2023ベスト、2つ目。
赤江瀑『オイディプスの刃』(発売年は2023年ではありません)。
2年ほど前に、赤江瀑を好きになり、今年この本を読んだ。
雨が、酷く降っている中で、ラベンダーの香りに包まれながら、この本を読了した。
以前もこれとかこれとか、記事で紹介しているので、良ければ読んでください。
男と女と、男と男の物語。
私の中に長く棲むことになる本。

3つ目、斜線堂有紀『本の背骨が最後に残る』。
偶然だけど、『オイディプスの刃』に引き続き、表紙イラスト佳嶋さんだ。
残酷な物語だと、定義付けたくないな。
もっと、多くのモノが想起される。本を、焼く、人を、焼く。
不死鳥は炎の中に飛び込み生まれ変わる。
美しいモノは炎の中で生まれる。

ならば、本を焼くことは。
人を焼くことは?

この物語を読み、あなたが思い浮かべたことを、どうか大切に守ってください。
そんなふうに連想が続くので、今年ベストに入ります。



2023年は、マンガや雑誌も少し含みますが、68冊の書籍を記録に残しました。
実際に読んだ本の冊数は、記録に残さず再読を重ねているものもあるため、もう少し読んでいるかなぁ。でも、たくさんの本に出会えてとても満足!

2024年もたくさんの本を読み、そしてこの記録も習慣付けていきたいです! 

皆様も良い読書ライフを!!

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