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教育LARP「シリウス 光の色」参加レポ

すごい体験をしたぞ。

概要

そもそもLARP(ラープ)というものは、いわゆる「即興演劇」のこと、と言えば何となく想像がつくでしょうか。
私も初参加だったのですが、コスチュームをつけて役になりきり、会話しながら、他の参加者と一緒に物語を生み出していく営み……私が以前から教育利用したいと言っていたTRPGの「しゃべるだけじゃなく、実際に演技する版」だと思っていたければと。
今回はテストプレイのため、内容は秘密なのですが、メインのターゲット層は「特別支援教育に関わる大人」だそうです。
特別支援教育の場では、今回の主催者である加藤先生の「TRPGによる余暇活動」をしている団体がいくつかありますが、LARPを教育のために、という部分がまだ普及していない、そして「Yes, and……」という発想(※相手の言ったことを否定しない態度)もなかなか浸透していない、という現実があるそうです。
今回はいろいろなコンフリクトを経験しながら、みんなでひとつのハッピーエンドに向かって作品を作り上げました。

印象的だったこと

まず、支援教育に関わる当事者の方(※現在は大人で、かつて子どもの頃困難を感じていた方や、今も障がいを抱えている方など)のお話を伺えたのがありがたかったです。
私たち教員がいかに「普通になれ」と押し付けているのか、それは本当に障がいを持っている方にとって幸せなのかという問題について非常に示唆に富んでいました。
個人に関わる情報なので詳しくは書けませんが、特別支援教育に携わる身として「教員の想いを押し付ける危険さ」に気付けたのは大きかったです。
また、加藤先生が事前にお話されていた「TRPGやその他の演劇活動をコミュニケーション能力を育成するためのものだ、と考えないほうがいい」というお話、そして同伴してくれた同業者でもある親友が「経験が先にあって、そこから教育につなげるならわかるけれど、ハイ学ぶよ! 学ぼうね! は教員による押し付けに感じるから、納得できないというか、モヤモヤするというか……」というつぶやきに、とても感銘を受けました。
私も教育にTRPGを! という話は散々していますし、実際に導入されている事例もありますが、成功しているそれらは「体験することを重視している」のだと気付いたのです。
要は私の実践の何がダメって、「教えようとしたから」なんです。
コミュニケーション能力を育成するために、ハイ学ぶよ! って押し付けてしまったから失敗したのだな、と深く反省しております……。
体験から学びを見つけてもらう、ということを、今後はやっていきたいです。
さらにこの「シリウスの光」では、様々な発達障がいをお持ちの方の感覚を疑似体験できます。
それが今、自分の受け持っている児童の困っている様子にすごく結びついたので、そこも嬉しいポイントでした。
教育、という話を抜きにしても面白いのに、貴重な体験までさせていただけて嬉しかったです、ありがとうございました。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。