鬼の糸
鬼の糸
制作年:2020年
画材:墨汁、顔彩、ペン、和紙、クレヨン 水彩紙
説明
この作品は偶然1本の墨が垂れた事から、芥川龍之介の蜘蛛の糸を連想し描きました。
この世界は地獄のような現実。
大きな鹿は鬼です。
鬼は大きく分けると五色(赤、黄、緑、青、黒)あり、仏教における5つの煩悩の姿をしています。
鬼の上には先の見えない真っ暗な世界が広がっています。
そして、下には白い無垢な小鹿が肉食獣の肉球に包まれ座っています。
絵の真ん中には、暗闇へ続く糸が垂れています。
小鹿は今選択の時です。
肉食獣に飼われて、食べられるために生きるのか。
それとも、自分で糸を掴み見えぬ世界を進むのか。
あなたは小鹿。
どちらを選んでも良い。
正解、不正解はあなたが思うがままです。
あなたはどちらを選び、死にますか?
子語り
星と木しとはどちらを選ぶのか?
私は飼われると噛みつきたくなる性分でして、安全だろうと綺麗な檻の中ってのも居心地が悪い。
暗い森の危険のある中で、怪我をしながらも、面白い物を探し回って、今日はどの暗闇へ行こうかってのが性に合う。
だから、迷わず糸を掴んで…いや、鬼をよじ登って暗闇に入っていくでしょう。
私の生き方は
地獄を地獄と目を瞑っていては、決して救われない。
自分から掴みたいと願うような糸をまず見つけて。
そして、自分で掴んで地獄の中を行け。
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