星野木佐ノ
創作大賞ミステリー小説部門参加作品。 人の心や過去を読み取れる能力を持つ青年と、幼少期の事件により事件前の記憶を全て失っている青年が主人公。二人は時間の真相の記憶を辿る。
これは、生きる意味を無くした1人の女性が、ひょんな事から英国留学をし、生きる事に真摯に向き合っていく物語。
プロローグ 〜漠〜 ー睡眠ー 私たち人間は、一晩にレム睡眠を四~五回繰り返している。レム睡眠とは、「夢」を見るための大切な「睡眠状態」の事を言う。レム睡眠時、身体は麻痺状態だが、頭の中は覚醒時同様、目まぐるしく働いている。 朝起きて妙にだるかったり、痣が出来ていたり、いつもより気分がすっきりしていることはないだろうか? それは、あなたが「夢」を見ていたと思っているだけで、実際、「体験」していることなのかも知れない。そして、その「体験」を、つまり、その「夢」を覚え
とてもとても久しぶりになってしまいました。 元気に過ごしています。『小説家になろう』で公開している作品を4作に減らして随分と経ちますが、今日も誰かが読んでくださっている事に、心から感謝です☺️ 今日はドリームハッカーがお2人の方に一括DLされたようでした。すごい!😊
年明け早々に、大変な事が続いています。こんな年明けではありますが、生きている今を感謝し、日々を丁寧に過ごしていけたらと思います。本年も宜しくお願い致します🙏✨
ここを立ち上げて、ポツポツと過去作を載せて来ました。少しでも読んで頂けて、有り難く思っております。本当にありがとうございました。来年は、もう少し何か書けたらな。そんな風に思っております。 寒さが増した年末。どうぞお身体に気をつけて、素敵な年をお迎えください。 良いお年を✨
少しずつ「なろう」から、こちらへ小説のお引越ししてます。アカウントを削除するかは、まだ悩んではいます。たくさんの嬉しかったレビューやコメントがあるので。期限あるわけではないので、ゆっくり考えようと思います😊 色々悩んでいた時に、二重に見えた虹。きっと大丈夫。そんな気がしました。
妖狐に呼ばれて、俺の前に膝まづいた祖母は、俺の名を呼んだ。 「健司、どうだい?私の声が聞こえているか?」 「ばあ……ちゃ、ん……」 祖母は俺の返答に深く頷くと、俺の胸に両手を当てた。 「今から浄化するからな。少ししんどいかも知れんが、我慢できるな?」 ゆっくり小さく頷くと、祖母は「良い子だ」と言って、両目を瞑り経を唱え始めた。 身体の奥底に、どす黒い戸愚呂を巻いた何かが、自分の中にある事に気が付いた。戸愚呂は、経に反応して徐々に暴れ始める。 俺はつい
突然の告白とも取れる羽美の発言に、俺は大いに動揺した。 暑さからの汗なのか動揺による汗なのか、分からないほど、額から首筋にいくつもの汗の雫が流れていく。 「私、ずっと健司兄さんの事が気になって……」 そう言って、羽美は自分の唇に指先をそっと当てた。その様を見て、俺は更に動揺をする。 「……健司兄さん……」 淡い色をした瞳を潤ませ、俺をじっと見つめる。ぽってりとした色付いた果実の様な唇に目を奪われ、自然と吸い寄せられる。重なったそれは、熟した果実の様に甘やかで魅
第2話 祖母の葬儀は滞りなく終わった。 祖母は俺にだけ手紙を残しており、その手紙の中には、首から下げられるくらいの紐の付いた、青いガラス玉が入っていた。 手紙には「肌身離さず付けておくように。この先、何があっても、お前を守ってくれる」と書かれていた。 形見の品だ。喪が明けるまでは着けておこうと、俺は暫くの間、服の下にそのガラス玉を下げることにした。 翌日の昼過ぎ、俺は月島堂へ向かった。相変わらず外は暑く、蝉がそこらじゅうで鳴いている。蝉の声を、不思議と五月
第1話 デパートから出た途端、アスファルトからの照り返しに、ドッと汗が流れる。 見上げれば雲一つない真っ青に透き通った空に、金色の光が燦々と輝いている。 ずっと世話になってた祖母が亡くなった知らせが入ったのは、昨晩のことだった。 田舎から都会の全寮制の高校へ入り、大学を卒業してもそのまま都内で暮らしていた。何年振りかも覚えていない久々の里帰りに、母親はあれ買ってこい、これ買ってこいと、注文を付けてきた。祖母の葬儀のために帰る筈なのに、何だか違う目的の為のようになって
初めてネットに小説を上げた長編作品。始めの頃、全く知らない人に馬鹿にされた事もありました。その作品が、コンテスト運営の人に褒められる事の喜び。選考は通りませんでしたが、こうしてコメントを残して頂けたことは、本当に嬉しかったです!
創作大賞の中間、ダメでしたー(T ^ T) 中間結果突破されたみなさん、おめでとうございます!
ひとつ、またひとつと星が消えていく。 明け方近い夜空の下、僕は大きな欠伸をひとつする。 まだ太陽も眠いのだろう。水平線に薄ら橙色の線を引いているだけで、まだ顔を出していない。 「眠い……ひたすら、眠い」 「早寝したんじゃ無かったの?」 「早寝したからって明け方近くは、さすがに眠い」「でも、この時間じゃないと意味がないのよ。ほら、ちゃんと荷物持ってよ。引き摺らないで?」 僕らは今、近所の小高い丘へ向かっている。ノアが「日の出が見たい」と言い出したからだ。 まだ
noteを久々に開いたら、何やら様子が違う……? 小説、読んでくださっている方、本当にありがとうございます!😊 また落ち着いたら、何かしらをアップしようと思っていますので、その時は宜しくお願いします☺️
小噺 〈それぞれの休日〉 〈レイの場合……〉 ある日の休日。 レイは自室で熱心にあるサイトを閲覧していた。 「……おぉ……これ美味うまそう……あ、でも手間がかかりそうだなぁ。流石に五人分は……。あ、これならいけるか? あぁ、なるほど……調味料がなかなか家庭に無いやつばっかりだなぁ……これだけの為に買うのもなぁ……」 そう。彼は料理投稿サイトを見ているのだ。 レイの趣味は料理。 ひたすら食材を刻む、炒める、蒸す、焼く、煮る、燻す……という過程が頭の中をス
「こんにちは……」 恐る恐るという表現がぴったり当てはまる様子で圭は室内を見た。 五人は顔を輝かせ、「こんにちは」と返事をした。 「身体の調子はどう?」 ミユウがドアに近づき、圭の腕を引っ張り室内に入れた。 「ああ、まだ少し頭がぼんやりしているけど、元気だよ。父さんの話しによると、丸二日寝ていたみたいだけど……」 圭はミユウに腕を引かれながら片手で頭を掻き答える。 「仕方がないよ、不正のドアで何人もの人が入り込んだんだから。しかも、大暴れするし」 ア
ウィルは黒いドアの前に立っていた。 スーツの内ポケットに入った小瓶を手に取ると中を見つめ、再びポケットの中にしまいドアを三度ノックする。 中から声が聞こえ、そっとドアを開け入り込む。 水煙草の煙で視界が見えづらいが、部屋の隅に目をやると鳥籠に入った鳥がバタバタと羽根を動かしているのが分かる。 ウィルは部屋の中央に配置されたローテーブルの近くにそっと跪き、右手をスーツの左ポケットにそっと当てた。 その陰に隠れるように、小さな物体が飛び出した。素早くテーブルの陰に隠れ