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オチを求めた夫 :約1200文字のエッセイ

プロフィールをご覧になった方、そして、以前ちょこっと記事で触れたことを覚えてくださっている、ありがたい方々にはおわかりの通り、私の夫は関西出身。
彼が大学卒業後に、都内の会社に勤務して以来、今日に至ります。
彼は、普段、関西弁で話すわけではありません。
彼自身、関西と関東の違いにも拘らず、また結婚後すぐに私も一緒に生活した海外赴任先でも、現地社員ともかなり馴染んでいたり、帰国後これまで過ごしたそれぞれの地で私よりも早く慣れてまうので
私以上に適応能力、順応性のある人だと思っています。
そんな彼との結婚生活も今年で25年になりますが。
付き合っていた頃から言われ続けてきたことがあります。

「話にオチがない」。。。!

これを初めて聞いた時は、色んな意味で衝撃でした。
勿論、彼が求めているのは 吉本新喜劇のような世界観のことでもなく。
また 西に限らず東の漫才師さん達の漫才のように、「おもろい漫談をせい!」と言っているわけでもないことはわかっています。
けれど。
一緒に居るときに、私が話し出すと
いつもニコニコしながら話を聞いて 相づちを打ってくれて、
「そっかそっか。」などと受け答えている彼が、常に、心のどこかで 【話のオチ】を求めていることは全く想像できなかっただけに
その時は正直、軽いショックを受けました。
私の話、つまらなかったのかなー、なんて。

いわゆる 関西あるある なのかもしれませんが。
でも、そのことを言われてしばらくは
話し出してから
「あっ、ごめん、オチはないんだけどさ」とか
今でもそうですが、
「話長くなるけど、つまらないかもだけど、ちょっと聞いてほしいの。」と前置きをするようになっていました。

もちろん彼自身、その時も、今でも別に
「常におもろい話をしてほしい」わけではないとはわかっていてもどうしたらいいんだろう。
馬鹿げた話に見えますが、これから長く一緒に過ごそうとしている人に、どうしたら面白いと思ってもらえるか?
私も色々考えを巡らせました。
たどり着いた答えはシンプルでした。
要は、
・物語のように 起承転結を頭の中で整理して話すこと
・話すエピソードの登場人物、時間軸を整理して、話の本筋となるものをしっかりと伝えること

あれ?これって。
改めて考えると文章を書くときも同じなんじゃないか?
最近、ふと改めてそう思うようになりました。
どんなに伝えたいことがあっても、ある程度整理されていないと、伝わらないんだな、もったいないな、と。
改めて自分自身の文章を読み返して、ピンと来ない時は、やはり、色々と詰め込みすぎて、本筋が見えないことが多いな。
そう改めて実感しました。

うわー、彼の言ってたことって実はめちゃくちゃ深いな!

そんな気持ちになりました。
そう思ったことを包み隠してやり過ごすことなく、早い段階でそういう【課題】を出してくれた彼、すなわち夫には感謝しないといけないのかも。

ちなみに、夫によると
年をかさねた私の話は
「まぁまぁ、オチは出てきたね。」
って感じだそうです。

オチのある文章を書くことはまだまだ試練だらけですが、ぼちぼち精進できるよう頑張らねば。

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