「みてみて奏太!富士山だよ富士山!」 Zzz… 「も〜、せっかく綺麗なのに」 窓際のからの寝息をかき消すかの様にシャッターの音が機内にこだまする。 私も負…
光り輝くグラスのなかで、氷がカランと音を立てる。 奈緒はピクリと眉を揺らすと、うなりながらまぶたを持ち上げる。 ぼやけた視界には、前と変わらない景色が広がっていた…
hot-tea
2018年7月16日 14:09
「みてみて奏太!富士山だよ富士山!」 Zzz… 「も〜、せっかく綺麗なのに」 窓際のからの寝息をかき消すかの様にシャッターの音が機内にこだまする。 私も負けじと特等席で寝ている奏太の顔を横目に、そそくさとスマホを取り出す。 カシャッ! 「う、うーん?また盗撮かよナギ」 どうやらシャッターの音は私の声よりも彼に響いたらしい。 「残念ながら今回は違います
2018年1月13日 23:14
光り輝くグラスのなかで、氷がカランと音を立てる。奈緒はピクリと眉を揺らすと、うなりながらまぶたを持ち上げる。ぼやけた視界には、前と変わらない景色が広がっていた。「あれ…いつのまに寝ちゃってたんだろ。」ソファに座りなおしながら、奈緒は髪をなぞる。壁時計は、ちょうどお昼の十二時をさしていた。レポートを終えたのが十一時半頃だったから、三十分近くも寝ていたらしい。ちらりとデスクへ目を向けると