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昭和の風景:太宰の故郷「金木」

作家太宰治の故郷である青森県金木町(現五所川原市)。
昭和57年12月、横手、浅虫を経て五能線五所川原駅より津軽鉄道に乗りかえたどり着いた金木。
津軽鉄道の冬の風物詩「ストーブ列車」には乗ることはできなかった。
ごく普通の気動車に乗って金木駅に降り立った。
どんよりと曇った空の下、冬の東北の小さな町は寒々しい風景を作り出していた。
同じ列車に乗っていた人々は駅を出ると四方へ散らばり消えていった。
小雪が少し舞っている。
ああ、ここが太宰治を生み出した町かと、感慨が押し寄せた…。
といって、太宰の作品は「走れメロス」「斜陽」「津軽」くらいしか読んでいないのだが。

金木駅で下車する人々
金木駅前
太宰の生家斜陽館前で
当時はまだ旅館を営んでいたと思われる

金木を後に終点の津軽中里まで行き、折り返して五所川原に戻り、その夜は弘前に宿をとった。
翌日は、五能線で東能代へ向かったが、一度も青空を見ることはなかった。


※撮影は1982年12月。カラープリント写真をモノクロ化しトリミング。
 再掲写真。