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2023年にオープン!坂茂の手がけた広島の下瀬美術館【レンタカーなしでのアクセス・レポ】

「アートの中でアートを観る」というコンセプトのもと企画され、2023年に開館した新しい美術館。ミラーガラスや意図的に少なくされた柱等により、「箱」としての存在感が薄れ、瀬戸内の海と一体となったかのような建築の中でアートを楽しむことができます。

1.下瀬美術館とは

・建築資材の総合メーカーの丸井産業(広島市に本社を置く)を創業した下瀬家収集の美術品を展示する民間美術館
・コンセプトは「アートの中でアートを観る
・雛人形や北大路魯山人の陶器などといった日本工芸品をはじめ、エミール・ガレを中心とする西洋作品、マティスやシャガール、東山魁夷といった日本と西洋の近代絵画まで、国内外の多様な作品を約500点ほど所蔵している

2.建築情報

■基本情報
設計:坂茂建築設計
施工:鹿島建設、大和建設
竣工:2023年
ロゴ・サインのデザイン:原研哉(無印良品のアートディレクション等で知られる)

■素材
・全ての外壁がミラーガラス・スクリーンで一体化されている
・内側からはガラス張りに見える一方、外側からは鏡のように見える
・建築が風景に溶け込み、建築とランドスケープが融合する

■ロビー
・印象的な大樹のような柱以外に視界を遮るものはなく、開放的な空間となっている

■企画展示室
・ポストテンションを入れたRC梁を採用することで、25m四方の大スパンを実現
・建物の周囲をピラミッド状に盛土し、建築の存在を極力感じさせないように工夫されている

■可動展示室
広島の造船技術を活用して台船の上に展示室を作っている
・水位を上げることで展示室を移動でき、展覧会に合わせて7種類の配置パターンがある

■内装
・紙での建築を追求している坂茂氏の試みにより、椅子も紙管で作られています

紙管で作られた椅子
出典:広島新聞

3.訪問レポ

私が訪問した時は、「四谷シモンと金子國義」の展示でした。
下のマップにおいて、⑧が企画展示室、⑨が常設展示ですので、作品数は少なく展示自体は1時間あれば十分見終わると思います。
ただし、ガレの庭や望洋テラスなど敷地を巡る楽しさがとても特徴的ですので、1時間半は見積もることをお勧めします

広大な敷地ですが左側や⑥はヴィラになるので、宿泊者のみのエリアです。(詳しくはこちら

黄:企画展示室 緑:常設展示

■地図番号8:企画展示棟

■地図番号10:可動展示室
シャガールやジョルジュ・ブラック、ガレらの作品が展示してありました。
可動展示室一つ一つは10×10mの大きさで、それぞれテーマごとに作品が展示されています。
もちろん、普段は水位が低いので揺れることはありません。

※作品は全て撮影可能でしたがSNSへの掲載はNGでした。

■地図番号11:エミール・ガレの庭
エミール・ガレは、フランスのガラス工芸家であり、専門的に植物学も学んでいました。ガレのガラス工芸作品は本当に色が優しく鮮やかで、とても気分が浮き立つようなデザインのものが多いです。
こちらの庭では、そんなガレの作品に登場する草花を中心に植えられています。

しかし、私が訪問した時は冬でしたので、残念ながらお花はほとんど咲いておりませんでした。春や夏はとても綺麗だろうなと思います。

エミール・ガレの庭

■地図番号10:望洋テラス
こちらからは、可動展示室や庭を瀬戸内海の展望と合わせて見ることができます。

望洋テラスからの眺め

4.アクセス方法

【車でお越しの場合】
美術館に駐車場が併設されております。

【電車・バスでお越しの場合】
玖波駅から徒歩30分または玖波駅からバス
1時間に1本くらいはバスがあるのですが、タイミングが合いませんでしたので私は30分歩きました。

ちなみに玖波駅にはロッカーはありませんので、スーツケース等でお越しの場合はタクシー利用もご検討ください。

徒歩で来ると注意しなければならないのが入り口です。
矢印にあるように、晴海臨海公園側の一箇所のみが入り口になっているので、徒歩の方はご注意ください。

5.合わせて観光したいスポット

下瀬美術館は岩国にありますので、せっかく遠方から訪れる方は合わせて観光したい美術館・建築スポットをぜひ参考にされてください。

参考

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