ぶっ壊せ。
目が覚めた。
濃紺色の空が視界いっぱいに広がっている。
生きている。
冷たい空気、小汚い路地裏、狂った街。
そうだ。僕は拷問を受けて……。
何も感じなくなっていた。
身体中が痛くても、誰も手を差し伸べてくれなくても。
何かが、手に触れた。
覆面だった。
そうだ。何でもいいんだ。能面じゃなくても。被れれば、何でも。何かを被って、別人になって、自分が好きなように、好きなことを……。
「不快なものを全てぶっ壊せ」
覆面が闇夜に紛れて喋った気がした。
夜の街へ、作品のネタを集めに行く為の費用に出来ればと思います。