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間違った人。

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 幸薄そうな顔の男を捕まえた。
 男は、見知らぬ部屋で椅子に拘束されているにも関わらず、ずっと「能面……能面……」とわけの分からないことを呟き続けていた。
「名前を言え」
 そう、俺が命令口調で言うと、男はハッとしたように顔を上げ、
「僕は、能面の……」
 と、何かを言いかけて止めた。
 あぁ、間違った人を捕まえてしまった、と思いながらも、俺は電動ドリルのスイッチを押した。

夜の街へ、作品のネタを集めに行く為の費用に出来ればと思います。